『らんまん』植物採集ロケに密着! 細部までこだわり抜いた制作陣の本気を見た
万太郎と藤丸の採集シーンで用意されていたのは、小石川植物園に生えていたイヌビワ。物語の中で実がなっているか、どれくらい熟しているか、季節も考証の重要な要素の一つだ。
同シーンでの準備について堀川氏は「小石川植物園でのロケを決める際に、使えそうな園内の植物を調べて、11月の高知設定であればまだ実がなっているイヌビワはあるので、採集するシーンに使うことを決めました」と説明。栃原氏は「本物の植物を採集して撮影する場合は、一発勝負になるので、植物のどの部分を採るべきか、昔のハサミで切ることができるかも考えて、事前にハサミを入れる場所の目星をつけておきました」と直前のセッティングについて明かす。
また、栃原氏が監修の際に特に意識していることについて「手元を撮られるので、実の見方や、枝の持ち方ですね。事前にある程度はその植物の情報をお伝えしているので、その通りにやってもらいますが、一度も見たことがない植物ばかりなので、木にしっかりくっついているのか、すぐ抜けるような根付き方なのか、直前で再確認します」と話してくれた。現場では、神木が枝の持ち方や標本を作成する際の並べ方を栃原氏に確認している場面があった。
花や実、葉っぱの部分だけでなく、土まで作り込む、細かい作業がこの世界観を支えている。万太郎に誘われて、視聴者が植物の世界に魅了されてしまう所以は、彼と同じように植物を愛し、本作に携わる多くの植物学者たちによって行われる細かい植物監修にあった。小石川植物園では牧野富太郎の企画展なども行われており、より『らんまん』の世界をリアルに、植物に触れて味わうことができる。本作を通して引き続き、『らんまん』植物監修チームがどんな植物に出会わせてくれるのかも楽しみだ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK