『文豪ストレイドッグス』第5期にもまだ追いつける! 第4期までの重要エピソードを解説

 『文豪ストレイドッグス』は、実在した文豪たちの名前を与えられたキャラクターたちが登場し、彼らの文学作品やペンネームにちなんだ「異能力」を使って戦うアクション作品。本稿では、7月12日に第5期の放送が開始されたことを踏まえて、第1期から第4期までのあらすじをおさえながら、本作を楽しむ上で知っておきたい最重要エピソードについて紹介していく。

主人公・中島敦が太宰と出会い、「武装探偵社」に入社(第1期)

TVアニメ「文豪ストレイドッグス」PV第1弾

 孤児院から追放された中島敦が、横浜を放浪していた際に、鶴見川で水死しようとしていた太宰治を助けた。これをきっかけに、中島は太宰が所属する「武装探偵社」が追っている「人食い虎」の捜索を手伝うことに。しかし、太宰は中島こそが虎の正体であり、無自覚のうちに異能力である「月下獣」として虎に変身し、徘徊していたことを告げた。中島が、孤児院から追い出されてしまったのはこの理由からだった。太宰は、虎に変身して襲いかかる中島を異能力「人間失格」により鎮めた。そして、太宰は中島が「武装探偵社」に入社できるように尽力する。

 第1期一番の見どころは、第10話「羅生門と虎松」。 孤児だったところを「ポートマフィア」に拾われ、異能力を暗殺に利用されていた泉鏡花。そんな泉を「武装探偵社」で保護しようとしていた中島だったが、巨額の懸賞金が掛けられ、中島が「ポートマフィア」に誘拐されてしまう。泉は自分を信じ、普通の女の子として扱ってくれた中島を助けるために自らを犠牲として芥川に立ち向かう。この回では、中村・泉と芥川龍之介の戦いに加えて、太宰と太宰の元相棒である中原中也との2つの戦いが描かれているのが面白い。そして、2人の会話からは、敵対関係になってもまだ消えていない絆が読み取ることができる。

「武装探偵社」「ポートマフィア」「組合」の3社鼎立(第2期)

TVアニメ『文豪ストレイドッグス』第16話「文豪ストレイドッグ」予告

 「本」に辿り着くための道標とされていた中島は、北米の異能者集団「組合」から70億の懸賞金がかけられてしまう。これにより中島は、「ポートマフィア」の芥川から命を狙われてしまうが、「ポートマフィア」の泉の裏切りもあり、逃亡することに成功。一方、「組合」の団長は、中島の身柄の確保と自分の願いを実現させるために飛行船「白鯨」を墜落させ、横浜を破壊する計画を立てていた。そのため、対立関係にあった「武装探偵社」と「ポートマフィア」も横浜を守るために協力することに。強敵のフィッツジェラルドだったが、中島と芥川の攻撃と、泉鏡花の捨て身の攻撃により、「白鯨」を市街地から離れた海に落下させることに成功した。また、「組合」の団長は、この事件から行方不明になっている。

 第2期一番の見どころは、第16話「文豪ストレイドッグス」(太宰が『ポートマフィア』だった頃の回)。「ポートマフィア」に所属する織田作之助、坂口安吾、太宰は、行きつけのバーに集まる間柄だったが、ある日、情報員である坂口が失踪してしまう。そして、織田が調査をしていくうちに、坂口が「ミミック」という組織から送られたスパイである可能性が持ち上がった。「ミミック」の首領までたどり着いた織田は、首領と一騎打ちになるが、中々決着がつかず、太宰が駆けつけた時にはもう助からない状態まで負傷していた。最後の言葉を残して息絶えた織田を見届けた太宰は、“人を救うこと”ができる仕事に就くことを決心する。この回では、なぜ太宰が「ポートマフィア」を辞め、「武装探偵社」に入ったのかが明らかとなっており、いつも飄々としていてつかみどころがない太宰の心の中の部分が少し理解できる話になっている。

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