『らんまん』金色の道へ巣立っていく長屋の面々 子沢山な万太郎の眼前には“貧乏”の壁が
そして、ついに花が咲くとき。小春(山本花帆)は女中奉公に出るため、丈之助に続いて長屋を巣立っていく。父・福治(池田鉄洋)と一緒になることが決まったゆう(山谷花純)に「お父っつぁんのことよろしくね、おっ母さん」と声をかける小春。その瞬間、彼女を幸せにすることだけを考えてきた福治のこれまでも、別れた夫に取り上げられた子供の幸せを願ってきたゆうのこれまでも、両方まとめて報われたような気がした。これからは福治とゆうがともに自分たちの幸せを探しにいく番だ。
倉木(大東駿介)は運送の仕事が見つかり、えい(成海璃子)たち妻と子供も会社の社員寮で暮らすことに。「大好きじゃ」という万太郎の言葉に思わず顔をほころばせる倉木。彰義隊の生き残りとして誇りも生きる意味も失いかけていた倉木をエンパワーメントしたのも万太郎だった。丈之助作の広告文には万太郎について書いたこんな記述もある。
〈彼は太陽が如く誰も気に留めざる草花に光を当てる者なり〉
クサ長屋と呼ばれ、近所の人たちが忌み嫌うその場所には名もなき人々が暮らしていた。だが、万太郎がそこに光を当てると一人ひとりの金色の道が見えてきたのである。一人、また一人とその金色の道を追いかけ、冒険へと出かけていった。
寂しいけれど、その道中でまた再び出会うこともあるだろう。
残された万太郎と寿恵子(浜辺美波)には次女の千歳に続いて、長男の百喜が生まれた。さらに、寿恵子は4人目を妊娠中。槙野家は大所帯の家族になりつつある。そうなってくると気になってくるのはお金。生活費もそうだが、今まで借りていた自分たちの部屋に加え、標本を保管する蔵として丈之助が提供してくれた部屋の家賃もかかる。仕事をしていない万太郎がどこからその諸々のお金を捻出しているのか……と疑問に思っていたら、借金取りの磯部(六平直政)が長屋にやってきた。次は“貧乏”という大きな壁が万太郎たちの前に立ちはだかりそうだ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK