『何曜日に生まれたの』すいと雨宮がまさかの再会 野島伸司は若い世代に何を伝える?

「サッカーよりバイクが好きなんだよ」
「私は電車に乗れない」

 物語のヒロインとして、人気小説家・公文(溝端淳平)にネタを提供することになったすい(飯豊まりえ)。10年ぶりに再会した“彼”とは、会話に困ったときに使える魔法の言葉がなくとも自分たちの合言葉で長い月日を埋めることができた。『何曜日に生まれたの』(テレビ朝日系)第2話では、すいが引きこもりになるきっかけとなったバイク事故について衝撃の事実が明らかとなる。

 同窓会ではトイレに引きこもることしかできなかったが、その帰り道にすいは二次会のカラオケ店から出てきた元サッカー部の江田(井上祐貴)に呼び止められた。高校時代に淡い思いを通わせていた相手との運命の再会……物語のネタとしては上々だ。しかし、公文は物語としてはありきたりで退屈だ」とあっさり却下。それよりも一緒にバイク事故に遭った雨宮(YU)の話を聞かせてほしいと、すいのトラウマを容赦なくえぐる彼に作画担当の父・丈治(陣内孝則)は強く反発する。「このままコラボ企画は打ち切りになるか!?」と思いきや、すいが自ら公文にネタを提供するために動き出すのだった。

 家賃が払えなくなったら困る。公文が書いたラノベの主人公・アガサのフィギュアが欲しい。すいが公文に協力する理由はたくさんあるが、何よりも彼女自身が変わるタイミングをこの10年間ずっと窺っていたのかもしれない。そこに差し伸べられた公文の手。きっと彼女はその手を払いのけたりはしないだろうという自信が公文からは感じられる。末恐ろしい男だ。すいが何らかの行動を起こすことも彼は分かっていたような気がした。

 江田に誘われ、すいが向かったのは社会人サッカーの練習場。そこには元サッカー部の部員たちが集まっていた。そして後からバイクで颯爽と現れたのは、なんと雨宮。彼は事故で選手生命を絶たれたものの、命まで奪われたわけではなかった。江田に引き続き、雨宮とも再会を果たしたすいは、彼と冒頭のやりとりと熱い抱擁を交わす。そんな少女漫画のようなワンシーンに、脚本家・野島伸司の言葉を思い出した。

 本作を手がけるにあたり、「個人的には普段ドラマを観ない、漫画、アニメ派の視聴者に覗いてもらえたら嬉しいです。2次元と3次元を虹をかけて繋げてみたい」とコメントを発表してた野島。たしかに現実では起こりそうもない予測不能な展開はドラマというよりも漫画やアニメのようだし、1人ひとりのキャラクターがとにかく濃い。特に今回登場した雨宮はところどころ、一人称が“俺様”で性格も傍若無人。高校時代も顧問の体罰教師を黙らせるほどの実力とカリスマ性を誇っていた。

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