『真夏のシンデレラ』森七菜に想いを告げた間宮祥太朗 萩原利久はついに自ら行動を起こす

 サップの展示会で東京へ出掛ける夏海(森七菜)と、夏海が東京に来ていることを知ってデートに誘う健人(間宮祥太朗)。8月7日に放送された『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)第5話は、ついに江ノ島を飛び出して東京でストーリーが展開するものになるのかと思いきや、あっという間にいつも通りの風景に戻ってしまう。まあその辺りはこのドラマらしい、期待を裏切らない展開である。

 それにしても、いつも健人たちはかなりフランクに東京から江ノ島にやってくるというのに、夏海が東京に行くだけで一大イベントになってしまう距離感のバグであったり、夏海が“東京に来た”を示すためだけになぜか東京駅の丸の内口で道に迷ったりという点はもはやご愛嬌。慣れない場所でスマホを失くしてしまうお決まりの展開に、おそらく実際にはかなり難易度が高いであろう待ち合わせも連絡を取る手段もない状態での邂逅。ひいては東京の夜景を見渡せる場所での会話と、東京でのエピソードだけでもかなりぎゅうぎゅう詰めにしてくるではないか(ちなみにビル上での会話は『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)の第3話とそっくりで驚いたが)。

 さて、前回のエピソードの終盤で匠(神尾楓珠)に対して「夏海が好きだ」と堂々宣言した健人。おかげで夏海が健人のいる東京に行ったというだけでも匠は気が気でない様子を見せる。先んじていえば、今回のエピソードもあらゆる要素を詰め込んだ割に、物語自体はこれといって前には進んでいない。強いていうならば、クライマックスでようやく健人が夏海に(見え見えなのになぜか夏海だけは気付いていなかったような)想いを告げることと、愛梨(吉川愛)をめぐる修(萩原利久)と守(白濱亜嵐)との三角関係で、ついに修が自ら行動に移すこと(もちろんそれを守が“偶然”目撃してしまうというのもセットで)ぐらいであろう。

 終盤はひたすら、ずっと様子のおかしかった弟の海斗(大西利空)の話題に割かれていく。夏海に訊かれても反抗期のように心を閉ざしていた海斗は、わざわざ健人を呼び出して重い口を開く。それは交際中の恋人・秋香(平澤宏々路)を妊娠させてしまったので結婚したいという、これまた若者向けトレンディドラマにおなじみの展開である。そこまでは良しとしても、その後の一連はなかなか呆気に取られるものがある。

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