堀田真由&小林薫が津軽塗に挑戦 『バカ塗りの娘』長回しシーン映像公開

 堀田真由主演映画『バカ塗りの娘』の本編映像が公開された。

 本作は、第1回「暮らしの小説大賞」を受賞した髙森美由紀の小説『ジャパン・ディグニティ』(産業編集センター刊)を映画化した人間ドラマ。『過ぐる日のやまねこ』『まく子』の鶴岡慧子が監督を務めた。

 海外では漆器が「japan」と呼ばれることもあるように、世界から注目を集め、称賛される漆塗り。本作はその中でも、青森の伝統工芸・津軽塗=通称“バカ塗り”をテーマに描かれる。何をやってもうまくいかず、自分に自信が持てない美也子(堀田真由)が、津軽塗職人の寡黙な父・清史郎(小林薫)との暮らしの中で、幼い頃から触れていた津軽塗に改めて向き合い、次第に自分の進む道を見つけていく。

映画『バカ塗りの娘』本編映像

 公開された映像は、器に丁寧に色を付けていく小林演じる父・清史郎の手元と、それに熱視線を送る堀田演じる娘・美也子の眼差しから始まる。美也子は父から受け渡された器に手際よく緑の漆を塗っていき、父はそれにさらに漆を重ねていく。

 器が美也子に受け渡される時に鳴る木と木が触れ合う音と、清史郎の刷毛が器の上を滑る音、ヒグラシの鳴き声とともに、ねぷた祭りの太鼓と笛の音が響く。「このくらいで」と漆の具合を伝える師としての清史郎と、揃ってカップアイスを黙々と頬張る親子らしい2人の姿が映し出される。

 鶴岡監督はこのシーンについて、「省略しすぎてしまうと、津軽塗がものすごい数の工程を踏んで作られているものだということが伝わらなくなってしまうので気をつけました」とこだわりを語る。「ひとつひとつの工程をしつこく見せるぞ!という思いで撮りました。編集した時もじっくり見せることを意識してカットするのを我慢したし、本物を作っている動きだったり音だったりを感じてもらいたいという狙いで、かなり長尺を割いています」とコメント。

 堀田は、本作の撮影を通し津軽塗に初挑戦。実際に津軽塗の箸を愛用していることを明かし、「最新な物が次から次へと産まれ機械化・自動化が主流になってきた今改めて、日本の美しい伝統工芸に触れ何を感じ受け取るか、そして伝授していくことの厳しさとどう向き合っていくのか津軽塗りを通して繋がる家族の物語から何か感じ取っていただけると幸いです」とアピールした。

 鶴岡監督は、津軽塗に触れたことで自身の映画制作に対する価値観にも影響があったと語っている。「バカ塗りの“バカ”とは、ひたむきさを表す“バカ”です。津軽塗と出会い、ものづくりに対する慎ましくも純度の高い情熱に触れ、私もこんなふうに映画をつくりたいと思いました。1カット1カット丁寧に、漆を塗り重ねるように撮る。色鮮やかな模様を研ぎ出すように、登場人物たちの個性で画面を満たす。堀田さん、小林さんはじめ、素晴らしい俳優さんたちとご一緒することができましたし、弘前の皆さん、津軽塗の職人さんたちに、本当の意味で支えていただきました。みんなでつくったこのひたむきな作品を、たくさんの方に楽しんでいただけたら幸いですし、津軽塗の魅力を知っていただけたら嬉しいです」とコメントを寄せた。

 また、8月2日より西武池袋本店とのタイアップが決定。本作の公開を記念して映画鑑賞券があたるTwitterキャンペーンや、オリジナルグッズがもらえる購入者先着プレゼントなどのキャンペーンが実施される。

■公開情報
『バカ塗りの娘』
9月1日(金)全国公開
8月25日(金)青森県先行公開
出演:堀田真由、小林薫、坂東龍汰、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
監督:鶴岡慧子
脚本:鶴岡慧子、小嶋健作
原作:髙森美由紀『ジャパン・ディグニティ』(産業編集センター刊)
製作:「バカ塗りの娘」製作委員会
制作プロダクション:アミューズ 映像企画製作部、ザフール
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2023年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/118分
©2023「バカ塗りの娘」製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/bakanuri-movie/
公式Twitter:@bakanuri_movie
公式Instagram:@bakanuri_movie

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