『真夏のシンデレラ』“恋愛以外”の想像もしなかった展開 匠が夏海に対して抱く感情は?

 7月31日に第4話が放送される『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)。初回放送時には、先が読めそうな恋愛模様に王道ラブコメの印象を抱いた視聴者が多かったようだが、ここにきて“恋愛以外”の部分で想像もしなかった展開が起き始めている。今回は、なぜか気になって仕方がない『真夏のシンデレラ』の意外なエピソードを4つ振り返っていきたい。

 1つ目は、第3話まで観ても匠(神尾楓珠)の気持ちが全く見えないために、なかなか“恋の当て馬”ポジションに浮上してこないということ。第1話では夏海(森七菜)のことを「女として見たことがない」と振った匠だが、なぜか定期的に健人(間宮祥太朗)に対して敵意を見せる。さらに第2話では夏海を夏祭りに誘い、「小さいから見えない」などと言いながら手を握った。そうかと思えば、偶然会った佳奈(桜井ユキ)のことで頭がいっぱいになり、不機嫌になって勝手に夏海の前から姿を消してしまった。その後、佳奈に何度も電話をかけたかと思えば、そこに居合わせた夏海に同意もないままキスをする。この時点で、匠は佳奈が好きなのか夏海が好きなのかはっきりしてほしいと視聴者はヤキモキ。第3話ではピンチの夏海を救うなど頼りになる姿を見せるが、これで匠の気持ちが固まったとは言えないだろう。匠が夏海に対して抱いている恋愛以前の感情がなんなのか、未だ明かされないことが作品のスパイスになっている。

 2つ目は、これまで健人の家庭のギスギスした空気との対比で仲良し家族のように描かれてきた夏海の家庭が思った以上に深刻な環境かもしれないということ。第3話で、父親の亮(山口智充)は夏海がサップの大会で沖縄に行くために貯金していた飛行機代とホテル代を友人のために使ってしまい、夏海が夢を諦めなくてはならなくなるという事態に。この一件までは、家族の面倒見が良く料理上手な頑張り屋かと思われていた夏海が、実はヤングケアラーなのではないかという疑念に変わり始める。『シンデレラ』を下敷きにした本作が伝えたいメッセージについて改めて考えさせられた。

 3つ目は、江ノ島と東京の位置関係だ。健人や守(白濱亜嵐)、修(萩原利久)らの住む東京からは、すぐ会いに行けるといえば行ける距離の江ノ島。だがいざとなると、やはりそんなに近くはなかった。この微妙な位置関係は、愛梨(吉川愛)が家に戻れずに守の家(実際は修の家だった)に泊まったことや、台風の日に健人が駆けつける前に匠が夏海の家に着いていたなど、恋愛に思わぬハプニングをもたらすきっかけにもなっている。東京を舞台にした群像劇ではなし得ない夏らしさが演出できることからも、江ノ島という舞台設定は『真夏のシンデレラ』で重要な役割を持つ。

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