『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』なぜ賛否両論? SF映画になった理由

 というわけで『運命のダイヤル』の予習の意味でも観てほしいし、公開当時本作にノれなかったという人は、ぜひもう一度見直してみてください。この作品が封切られた2008年は『アイアンマン』と『ダークナイト』が封切られた年であり、今日に続くアメコミヒーロー映画ブームが本格的に始まった年です。

 その後、インディが休んでいる間、アメコミヒーローたちがスクリーンを席巻しました。そのアメコミヒーローたちに挑戦すべく、今年インディが帰ってきたのかもしれません。

 『運命のダイヤル』は『クリスタル・スカルの王国』ですでに“年老いていたインディ”がさらに年をとっています。しかし、変に若返えらせず、年相応のままでアクションさせることが素晴らしい。僕はインディのカッコいいシーンと言えば馬なのですが、『クリスタル・スカルの王国』になかった馬のアクションがちゃんとあります。そして敵はナチス(の残党)。これをあのマッツ・ミケルセンが演じます。スピルバーグは邪教との戦いを描いた『魔宮の伝説』を撮ったあと、「インディの敵は『失われたアーク《聖櫃》』と同様、やはりナチスがいい」と言って『最後の聖戦』でこの路線に戻しました。

 だから、『運命のダイヤル』ではインディ最後の冒険に最強の敵が立ちふさがるわけです。

 最後に話題を『クリスタル・スカルの王国』に戻してトリビアを。スピルバーグは『魔宮の伝説』のヒロイン役のケイト・キャプショーと結婚しましたが、2人の間に生まれたサーシャ・スピルバーグも俳優になりました。そして、サーシャは『クリスタル・スカルの王国』でカフェで「あたしの彼氏になにすんの!」とマットを殴る女の子役で出演しています。

■放送情報
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
日本テレビ系にて、6月30日(金)21:00~23:24放送
※30分枠拡大
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ
製作:フランク・マーシャル
原案:ジョージ・ルーカス、ジェフ・ネイサンソン
脚本:デビッド・コープ
撮影監督:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード、カレン・アレン、ケイト・ブランシェット、レイ・ウィンストン、ジョン・ハート、ジム・ブロードベント、シャイア・ラブーフ
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