『らんまん』『舞いあがれ!』『カムカム』 朝ドラで描かれてきた主人公の姉弟の恋模様

 ついに寿恵子(浜辺美波)と結ばれた万太郎(神木隆之介)が、竹雄(志尊淳)と一緒に3人で高知に里帰りをする『らんまん』(NHK総合)第12週。

 竹雄は高知にいる間、「植物学者・槙野万太郎の助手の役目」を寿恵子に任せたが、自身は酒税で苦しむ万太郎の姉・綾(佐久間由衣)を近くでサポートしたいと思ってのことだろう。竹雄はもともと、上京する万太郎について行くことを決めた際に、綾に「好きじゃ」と告白し「わしは、何ちゃあ持っちょりませんけんど、二つだけ子どものころから持ち続けてきた大切なものがありました。この思いはそのうちの一つです」とくしを渡していた。竹雄の中にある万太郎を守るという使命と、綾への恋い慕う想い。前者を託せる寿恵子という万太郎の伴侶ができた今、竹雄は今こそ綾への長年の想いを結実させるときが来たと思っているのかもしれない。特に竹雄ファンには必見の週になりそうだ。

 そういえば、前作『舞いあがれ!』(NHK総合)でも、主人公の兄弟と幼なじみが結ばれる展開が描かれた。ヒロイン・舞(福原遥)の兄・悠人(横山裕)は、舞の幼なじみの久留美(山下美月)と結婚する。実は家族想いだがクールで言葉足らずで誤解されやすい悠人のことを、フラットな目線で眼差す久留美は彼の良き理解者になっていく。長年の片思いを実らせるという形ではなかったものの、それぞれの家族を想う気持ちを近くで見ていた2人にはそもそもの共通言語があったように思えた。

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 また『おかえりモネ』では、ヒロイン・百音(清原果耶)の妹・未知(蒔田彩珠)が、姉の幼なじみ・亮(永瀬廉)への長年の片想いを実らせた。しかも、亮はもともと百音のことが好きで、未知は鈍感で全く彼からの好意に気が付かない姉への苛立ちやコンプレックスを抱えていた。そして亮のことをよく見ているからこそ気づきたくもないのに真っ先に彼の気持ちを察してしまう自分自身にも辟易してしまう姿が苦しそうだった。震災で母親を亡くして以来すっかり時が止まってしまい自暴自棄になっている父親の姿に、大切な存在を持つことの恐怖を感じていた亮。だからこそ周囲に深入りしないようにしていた彼に変化をもたらしたのは、ずっと変わらず近くで彼を見守ってきて2人なりの時間を積み重ねてきた未知だった。

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