重岡大毅は中井貴一のような名優に? 『それパク』北脇役で見せた“引き算”の演技

 最終回を前に、北脇はあえてカメレオンティーの特許申請をせず、企業秘密として隠し通す道を選んだ。しかし、社内にスパイがいたことで企業秘密が盗まれ、先に特許出願されてしまい、カメレオンティーは販売中止となる。北脇は冷徹に見えて、社員たちを信用していたのだ。そして、亜季に教え続けてきた北脇のモットーである“汗と結晶を守る”ことが守れなかったのは、もはや存在意義の否定でもある。今までは、何を言われようと平然とした態度をとってきたが、1人頭を抱えるほど落ち込む。ここにきて重岡が得意とする孤独と苦悩の演技を見せてくることで、グッと感情移入を誘う見事な組み立てだ。

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 これまでにも孤独を抱えている役を演じてきた重岡だが、今作では孤独と苦悩の感情は極力見せず、ちょっとしたリアクションで表現していた。そこで感じたのは“引き算”ができる役者だということだ。北脇が仕事の失敗の責任を取って職場を去る時に頭を下げるのだが、変に感情的にならず淡々と澄ませて去っていく姿が、余計に悲しさを感じさせていた。

 上司が時折見せるかわいげであったり、喜んでいる姿。視聴者も嬉しくなるようなキャラは、中井貴一のようなベテラン俳優を思わせる。30歳にして背中で語れる役者となった重岡。今後も上司役が増えていきそうだし、不器用な人物のヒューマンドラマでも重宝される名優になっていくだろう。

■放送情報
『それってパクリじゃないですか?』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00~放送
出演:芳根京子、重岡大毅(ジャニーズWEST)、常盤貴子、渡辺大知、福地桃子、朝倉あき、豊田裕大、諏訪雅、高橋努、相島一之、赤井英和、野間口徹、ともさかりえ、田辺誠一
原作:奥乃桜子『それってパクリじゃないですか? ~新米知的財産部員のお仕事~』(集英社オレンジ文庫刊)
脚本:丑尾健太郎
演出:中島悟ほか
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:枝見洋子、森雅弘、岡宅真由美(アバンズゲート)
制作協力:AX-ON、アバンズゲート
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/sorepaku/
公式Twitter:@sorepaku_ntv
公式Instagram:@sorepaku_ntv
公式TikTok:@sorepaku_ntv

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