『unknown』連続殺人事件の黒幕は町田啓太? 吸血鬼を狙う真犯人の動機と正体を考察

 高畑充希と田中圭がW主演を務めるドラマ『unknown』(テレビ朝日系)。前回のラストで“よよさん”こと世々塚幸雄(小手伸也)が退場した。SNS上では主に加賀美圭介(町田啓太)が疑われている連続殺人事件の犯人を考察してみたい。

 週刊誌『週刊熱波』のエース記者・闇原こころ(高畑充希)と交番勤務の警察官・朝田虎松(田中圭)は互いに愛し合っているものの、こころは実は吸血鬼だということ、虎松は父・一条彪牙(井浦新)が「宗像さん一家殺人事件」の容疑者という秘密を抱えていた。

 この物語の焦点は、血を抜かれた遺体が発見される未解決事件の真犯人と、その動機。そして、これらの連続殺人が20年前の一条の事件とどう繋がるのかだ。

 一連の連続殺人は、遺体の首元に牙で噛まれたような跡があり、血を抜かれていることから、吸血鬼による犯行という印象があった。だが、世々塚が絶命する直前に「犯人は吸血鬼を狙ってる」と言ったことで、むしろ吸血鬼を狙った犯行だということが決定的になった。第8話の予告からも、世々塚が吸血鬼ということがほぼ確定。一連の事件は吸血鬼に恨みを持った人間の犯行、もしくは吸血鬼ハンターの仕業なのは間違いないだろう。

 虎松の先輩である警察官の世々塚は、20年前の一条による一家惨殺事件を捜査し、加害者の息子である虎松とその時から交流を持つ。虎松の過去を唯一知っていて、もはや親代わりとも言える存在だ。一条が殺害された現場から血を浴びたレインコートを着た人物が逃げていくのを目撃し、後にその件で「2人で話しませんか」と誰かを電話で呼び出していた。

 映像的にはこころの母でキャスターの伊織(麻生久美子)が電話を受けたように続いたが、口調からすると相手は事件を共に追う上司の南十字初(新納慎也)のような気もする。名前に吸血鬼の嫌いな十字の文字があるだけに、生粋の吸血鬼ハンターの可能性も。南十字は、5件目の被害者である、わっしょいクリーニング店主・五十嵐まつり(ファーストサマーウイカ)殺害犯にも当てはまることが多い。まつりが、釈放された息子を店で待っていたときに訪れた人物の革靴の音。そして、彼女がその人物を見た時のお客さんに見せる表情でも、殺人鬼に出くわした驚きの表情でもない不安そうな表情は、相手が警察であった可能性があり、20年前の宗像さん事件の真犯人としても年齢的にはありえる。ただ世々塚を殺したのは、逃げる姿を見られた加賀美、もしくは他の真犯人かもしれない。

 SNS上で最も真犯人として疑われている加賀美は、こころの同僚で『週刊熱波』のカメラマン。こころとは1年前に出会っていて、彼女が吸血鬼だと気づいている様子だ。彼は母親を若い頃に亡くし、彼のコロッケ好きは母親の思い出の味だからだという。そんな母親が、吸血鬼に殺された、もしくは血液関係のトラブルがあったら恨みを持つだろう。こころは「今時の吸血鬼は人を殺さない」と言っていたが、それは昔の吸血鬼は人を殺していたという意味でもある。ただSNS上での多くの意見として、加賀美は人間と吸血鬼の混血という説がある。吸血鬼と人間の混血は、吸血鬼ハンターを生業とするダンピールという伝説があり、吸血鬼を探知する能力も備え、不死である吸血鬼を殺す力を持ち、吸血鬼退治には儀式のような形式を取るという。母親が吸血鬼との子供を産んで捨てられたとなれば、自分の天涯孤独の不遇な人生を恨み、吸血鬼狩りをしている可能性もある。だったら早い段階でこころを粛清すれば良いのだが、儀式的に美しい形で始末するのに、結婚式という舞台を狙ったのだろうか。

 怪しいのが駄菓子屋「うめぼし堂」の店主・梅ばあ(木野花)。加賀美はこの街にきて1年ほどだが、コロッケを届けるほどいつ親しい仲になったのか。事件の真相というよりも、加賀美の素性を握る人物としてキーパーソンになりそうだ。

 しかし、20年前の事件にどう絡むのか。一条は一家4人を惨殺し、その惨状を見た虎松が父親を通報した後、世々塚と虎松の目の前で崖から身を投げた。だが、一条が虎松に言った「もう大丈夫だよ」という一言は何を意味するのか。一条は虎松が一家を虐殺したと思い、息子の罪を被ろうとしたのかも知れない。ただ、普通なら息子がここまで惨殺したら正気を保てないはずだが、受け止めているあたり、虎松が二重人格なのを知っているという考え方もできる。虎松は「銀杏が苦手」で、狼男は「銀が苦手」という説があることから、SNS上では狼男説が多い。今回結婚式があるので20年ぶりに姿を現したが、実は虎松が豹変しないかずっと見守っていたのかもしれない。

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