パク・ジニョン、百想芸術大賞W受賞で話題に 俳優としての成長を感じられるドラマ3選

 アイドルグループ「GOT7」のメンバーとして活躍するパク・ジニョン。2023年(第59回)百想芸術大賞で、TikTok人気賞(男性)と映画部門の新人男優賞をW受賞し、注目されている。5月12日に日本公開された映画『聖なる復讐者』では、双子の兄弟を1人2役で熱演。立ち退かせ屋として稼ぐ荒っぽい兄・イルと、知的障がいがあるものの優しい笑顔を絶やさなかった弟・ウォルという全く違うキャラクターを演じ、俳優として新たな一面を見せた。

 今回は成長著しいパク・ジニョンの魅力を堪能できるおすすめのドラマ3作品を紹介する。

『彼はサイコメトラー -He is Psychometric-』

 2019年に放送された『彼はサイコメトラー -He is Psychometric-』は、パク・ジニョンが初主演を務めた記念すべき作品だ。たった3秒相手に触れただけで、その人が持つ記憶の残像を読み取ることができる「サイコメトリー」の能力を持つ青年、イ・アン役を演じた。

 ピンクを基調にした明るいビジュアルを見るとラブコメかと思ってしまうが、ジニョンが演じるアンは、過酷な運命に翻弄される人物。父と母の3人で仲良く暮らしていたが、ある日住んでいた団地の火災で両親が亡くなり、アンは一人だけ生き残ってしまう。そしてその事件をきっかけにサイコメトリーの能力を身に付ける。

 ジニョンはあどけない表情の高校生から大人の男性へと変わっていく姿を上手く表現。暗い過去を背負っているが、決して卑屈にならず明るい笑顔を見せるところが良い。メインとなる話は重いものだが、コメディ要素もところどころ組み込まれ、重苦しい雰囲気だけで進んでいく物語ではない。

 アンの人生に大きく関わってくるユン・ジェインを演じるシン・イェウンとのコンビネーションも爽やかだ。高校の同級生として知り合う2人は、互いに暗い過去を抱えており、しかもジェインの父親は、アンが両親を亡くした火災事故に大きな関わりがあるという関係だ。そんな2人が過酷な運命に向かっていくさまは、観ていて胸が熱くなる。この作品をきっかけに、俳優として、ジニョンが大きく飛躍したことは間違いないだろう。

『花様年華 ー人生が花になる瞬間ー』

 『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』で、強盗団のリーダー「教授」を演じたユ・ジテと、『Mine』で財閥を舞台にしたドロドロ劇を演じたイ・ボヨンがW主演を務めた『花様年華 ー人生が花になる瞬間ー』。ジニョンは、ユ・ジテが演じた実業家ハン・ジェヒョンの学生時代を演じた。

 ジェヒョンは大学の法学部に在学する学生だが、そのカリスマ性で学生運動のリーダーとして活動していた。学生デモに巻き込まれた女子学生ユン・ジス(イ・ボヨン/学生時代はチョン・ソニ)を助けたことで2人は知り合い、ジスがジェヒョンに猛アタックしたことで付き合うことになる。

 女子大生のジスが積極的にジェヒョンへアタックしていく展開が微笑ましい。学生運動のリーダーとして活動しているジェヒョンは、クールなふりをしているけれど実はロマンチスト。映画の好みを通してジスに内面を見破られ、恥ずかしそうな表情をするジニョンがキュートだ。

 どこか懐かしく感じる90年代の風景の中に溶け込んでいる若いカップルが美しい。そしてジスがピアノを専攻している学生であることから、数々のピアノ音楽が流れるのだが、甘酸っぱい気持ちを思い出させる音楽がドラマにマッチしている。

 ユ・ジテとイ・ボヨンが紡ぎ出す大人のラブストーリーも良いが、彼らの青春時代をすがすがしく演じたジニョンとチョン・ソニも負けず劣らず輝きを見せている。

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