葵わかなは多才なバイプレイヤーだ “清純派ヒロイン”からオタク役まで広がる役幅

 朝ドラ女優出身として清純派路線を貫いている葵だが、『Dr.チョコレート』ではこれまでとは違う役柄やポジションを演じている。

 ギルベルト役は、臨床工学技士としてチームに加わるが、本業はアニメーター。アニメをこよなく愛し、Teacher(坂口健太郎)にスカウトされた時に「僕と契約して魔法少女になってよって言ってください」と要求したり、「その発言何度目ですか? ハルヒのエンドレスエイトですか?」など、何かとアニメのセリフやうんちく・情報を会話に取り入れるアニメオタクだ。人と距離を取る性格で、本心を見せようとしない。一方でとにかく手先が器用で冷静沈着であり、チームがピンチに陥っても手術に必要な道具を即興で作って急場をしのぐことができる、まさに凄腕の持ち主だ。

 いつも冷めた姿勢でツンとしていて、あまり視線を動かさず妄想を早口で喋ったり、大好きな声優アイドルの前では感情を爆発させ、興奮しフライング気味の返事をするなど、オタク特有の演技を見せている。小さい針が必要になり、その場で作り唯(白山乃愛)に喜ばれるのだが、いつも感情を表さないギルベルトがドヤ顔のようなぎこちない笑顔を見せたり、興奮した時の“ワナワナワナ”と声に出して動揺する姿など、まさにアニメのようなリアクション演技で、これまでの清純派な演技を覆す楽しい演技を見せている。

 服は派手だけど悪目立ちせず、いいタイミングでツッコミを入れたり、ピンチの時に彼女がいることの安心感がある。そして普段ポーカーフェイスだからこそ、喜んだ時の表情や、心を開くように仲間と連携している姿は、観ていて思わずこちらも嬉しくなる。葵のさじ加減が絶妙で、しかもいつになく役を楽しんでいるようにも見える。なぜ今までこうした役を演じてこなかったのかと思うほど、葵の可能性が一気に広がったように思える。

 芳根や森川など『表参道高校合唱部!』世代の俳優がヒロインから悪役まで様々なキャラを演じているのに対し、葵の“清純派ヒロイン”のイメージは変わらなかった。ただキャリアを遡ると本来は多才な人なのだ。今回のギルベルト役はその閉まっていた引き出しを開けたのではないだろうか。

■放送情報
『Dr.チョコレート』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:坂口健太郎、白山乃愛、西野七瀬、葵わかな、鈴木紗理奈、前田旺志郎、古川雄大、小澤征悦、斉藤由貴ほか
企画・原案:秋元康
脚本:渡辺雄介
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:藤森真実、岩崎広樹、本多繁勝
演出:佐久間紀佳、南雲聖一、宮下直之
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dr-chocolate/
公式Twitter:@drchocolate_ntv
公式Instagram:@drchocolate_ntv

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