『コタローは1人暮らし』狩野とコタローの関係性 関ジャニ∞の主題歌の歌詞が胸に響く
<ねぇ Baby あの少年も 誰かを助けるヒーローさ>
『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』(テレビ朝日系)第5話は、関ジャニ∞が歌う主題歌「未完成」の歌詞が、いつも以上に胸に響いた回だった。
小さい子どもって、たまに突拍子もないことを言い出す。空気を読むことを覚えてしまった大人たちは、「今は言わない方がいいかな?」とか「とりあえず話を合わせておこう」とのらりくらり交わすところを、子どもはガンガン突っ込んでいくのだ。
さらに、他人の過ちを許す寛大さも持っている。コタローの父親(滝藤賢一)なんて、一生恨まれていてもいいはず。それなのに、コタローは、「わらわ、父上も母上も大好きぞ」と言ってのけるのだ。あんなにすごいトラウマを植え付けられたはずなのに、どうしてここまでピュアに他人を愛することができるのだろう。
生きていると、辛いことや苦しいことが必ず起きる。今まで幸せなことばっかりだった……という人もいるかもしれないが、それはきっと稀で、多かれ少なかれ、みんなそれぞれ心に闇を飼い慣らしながら生きているはずだ。
でも、その闇との向き合い方は、人によって違う。闇にとらわれて、周囲を恨みながら生きていく人もいれば、コタローのように誰のことも恨まない生き方を選ぶ人もいる。どちらの方が幸せなのだろう……と考えたら、簡単に答えが出るはずだ。
誰のことも恨まない、傷つけない生き方は、自分を大事にすることにつながっていく。思い返せば、佑(松島聡)が、嫌いだった誕生日を好きになれたのも、コタローの愛ある“押し”があったからこそ。美月(山本舞香)が、小さい頃に叱られすぎたせいで、箸に苦手意識を持ってしまったと言うと、コタローはあえて自分も下手なふりをする。
「わらわは、上手や下手で、誰かが悲しくなるのが嫌ぞ。わらわは、ただみんなで楽しくごはんが食べたいのである」
父親に厳しくしつけられたから、綺麗に魚をほぐせるはずなのに、コタローはみんなが幸せになる道を選ぶ人間なのだ。そして、そのコタローの優しさに気付いてあげる狩野(横山裕)も、また温かい。