『らんまん』牧瀬里穂の華麗な経歴を振り返る 東京編はまつの複雑な心境が見どころに

 以降も牧瀬はコンスタントに映画やドラマ、舞台に出演。結婚後はメディアへの露出が少々減ったものの、2019年に同じく朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)で9年ぶりのドラマ復帰を果たしている。同作では、ヒロインの福子(安藤サクラ)のアルバイト先である喫茶店「パーラー白薔薇」のママ・しのぶを演じた牧瀬。店主で夫のアキラ(加藤雅也)との夫婦漫才のような掛け合いは人情味に溢れ、お茶の間に笑いと癒しを与えた。同時にこれまでの牧瀬のイメージを覆す、しのぶの大阪のおばちゃんっぷりは観る人を驚かせたが、彼女の持つ華やかさは元タカラジェンヌというしのぶの経歴に説得力をもたせていた。

 実は、今回『らんまん』で演じるまつにもかつて花街として栄えた柳橋の元芸者という設定がある。寿恵子は芸者時代に上級武士に見初められ、授かった一人娘だ。『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 らんまんPart1』(NHK出版)に掲載されたインタビューで、牧瀬はまつについて「娘の寿恵子には『自分の機嫌は自分で取ること』と、男性に頼らず地に足をつけて生きて欲しいと願っています」と解説している。だから妹のみえ(宮澤エマ)がもってきた寿恵子の縁談話に渋い表情を見せていたのだろう。一方の寿恵子は曲亭馬琴の小説『南総里見八犬伝』に夢中で、自分の恋愛にはあまり興味がなさそう。そんな2人の間に挟まれたまつの複雑な心境が今後は見どころだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00~8:15、(再放送)12:45~13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30~7:45、(再放送)11:00 ~11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

関連記事