『帰れない山』Web限定ポスター公開 三浦雄一郎、片岡鶴太郎らの絶賛コメントも

 5月5日に公開される映画『帰れない山』のWeb限定ポスターが公開された。

 本作は、世界39言語に翻訳され、数々の文学賞に輝いた小説『帰れない山』を映画化し、第75回カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞した“大人の青春映画”。

 山麓の小さな村で、都会育ちの少年ピエトロと、同い年の牛飼いの少年ブルーノとが出会い濃密な時間を過ごす。やがて大人になった2人は再会し、お互いの心に寄り添いながらもそれぞれの道を進んでいく。北イタリアの雄大なるモンテ・ローザ山麓を舞台に、彼らの友情と成熟を描く。すべてを教えてくれた山と対峙し、それぞれが己と向き合い、葛藤しながら「自分の物語」と「ありのままの自分でいられる場所」を発見し成長していく。

 主人公のピエトロを演じたのは、『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演男優賞に輝き、『マーティン・エデン』では第76回ヴェネチア国際映画祭で男優賞に輝いたルカ・マリネッリ。親友のブルーノ役は、同じくダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で主演男優賞の受賞歴を持つアレッサンドロ・ボルギが演じた。

 公開された2種の限定ポスターは、アートディレクターの石井勇一によるもの。大人になったピエトロ、ブルーノと少年期の2人の姿が切り取られている。

 また、本作を一足先に観たプロスキーヤーの三浦雄一郎、シンガーソングライターの七尾旅人ら著名人によるコメントが公開された。

コメント

三浦雄一郎(プロスキーヤ—・冒険家)

山という大自然がもたらす豊かな恵みが心いっぱいに感じられる作品。
イタリア・アルプスの美しい情景が心に沁みた。

片岡鶴太郎(俳優・画家)

良い映画とは、沈黙の中で己と向き合い自問自答・語り合って居る事が出来る作品だと思う!
真にその様な映画でした。

石川直樹(写真家)

この映画を観た誰もが、ちょっとだけ自分の人生と重ね合わせてしまう。
イタリアの山岳地帯を舞台にした映画だが、人間誰しもにあてはまる普遍的なテーマを扱っており、観終わった後には、自分の来し方をしばらく振り返ってしまった。
新しく語り継がれるであろう名作としての羽ばたきを、本作に予感せずにはいられない。

七尾旅人(シンガーソングライター)

この尾根の向こうには何があるんだろう。僕たちは結局、どこへ行くんだろう。空が衛星だらけになり、どれほどGPS技術が発達しても、我々がそれを知ることはない。再会と別離、再建と崩壊を繰り返しながら紡がれる人々の密やかな物語を、峻厳な山々が抱きとめ、時に突き放す。掌の上のか細い灯りを凝視するような小ささと、すべての運命を乗せてたゆたう船のような雄大さが同居したこの映画に迫真性を与えている北欧のシンガーソングライターDaniel Norgrenによる劇中音楽も素晴らしい。二人の少年の行方をスクリーン越しに追いかけているうちに、仲違いして長年会えていない友人に連絡してみたくなった。

JIN (登山YouTuber)

イタリアの美しい山々の映像と繊細に描かれた人間模様。
山と人生の厳しさ、美しさを感じられる作品だった。

文学YouTuberベル(動画クリエイター)

人生はよく登山に例えられるが、その意味がすべて詰まっている作品。
動く感情と動かぬ山に引き込まれた。

藤原新也 (写真家・文筆家)

パンデミックに襲われたこの世界にあって還るべき場所は何処。
それぞれの登場人物の心のゆらぎに、ふとこの時代を重ねあわせ観ている自分がいる。

松浦弥太郎(エッセイスト)

友だちのために僕ができること。それはずっと彼の友だちであること。そんな思いで胸が一杯になった。

中沢新一(人類学者)

山の民の世界はいまだに神秘に満ちている。水も空気も風も、山の中では平地とはまったく異なる相貌を見せ、山の民はそういう元素とともに生きている。たどり着こうとしてたどり着けない山の民の世界。

竹内洋岳(プロ登山家)

山は奪い、傷つけながらも、必ず、かけがえのない出会いと記憶を与え残してくれる。
山から帰る者、山に帰る者。山が結びつけた二人の出会いと記憶が美しい。

■イベント情報
『帰れない山』公開記念舞台挨拶
日時:5月5日(金)12:35の回(上映後舞台挨拶)
場所:シネスイッチ銀座(東京都中央区銀座4-4-5 簱ビル)
登壇者:片岡鶴太郎(俳優・画家)、矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)

■公開情報
『帰れない山』
5月5日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
監督・脚本:フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン&シャルロッテ・ファンデルメールシュ
原作:パオロ・コニェッティ『帰れない山』(訳:関口英子/新潮クレスト・ブックス)
撮影:ルーベン・インペンス
出演:ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ、フィリッポ・ティーミ、エレナ・リエッティ
配給:セテラ・インターナショナル
宣伝協力:ポイント・セット
2022年/イタリア・ベルギー・フランス/イタリア語/1.33:1/5.1ch/147分/日本語字幕:関口英子
©2022 WILDSIDE S.R.L. – RUFUS BV – MENUETTO BV – PYRAMIDE PRODUCTIONS SAS – VISION DISTRIBUTION S.P.A.
公式サイト:www.cetera.co.jp/theeightmountains/

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