『スター・ウォーズ』新作映画はどんな内容に? 異なるタイプの3人の監督たちが紡ぐ物語

異なるタイプの3人の監督たち

 発表された新作映画の監督に就任するのは、ジェームズ・マンゴールド、デイヴ・フィローニ、シャルミーン・オベイド=チノイの3人。彼らのキャリアを振り返ってみよう。

 過去を描く作品の監督となるジェームズ・マンゴールドは、6月30日に公開される『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の監督でもある。マンゴールド監督は、文芸的な作品もアクション大作も、どちらも手掛けることのできる監督で、代表作にはアカデミー賞候補となった『フォードvsフェラーリ』から、『ウルヴァリン:SAMURAI』といったスーパーヒーロー映画まである。これまで『スター・ウォーズ』シリーズにかかわったことはないが、彼なら対応できるだろう。

 現在に位置づけられる作品を手掛けるのは、デイヴ・フィローニ。彼は、ディズニープラスで展開中の『マンダロリアン』シリーズに『アソーカ』でも製作総指揮や脚本、監督を務める人物であるため、それらのフィナーレを飾るこの映画の監督にうってつけの人物だろう。今回発表された3人の監督の中では、『スター・ウォーズ』との付き合いは最も長く、アニメーション作品『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008年)の総監督を務めたことでも知られている。『スター・ウォーズ』世界への理解度も深くファンの信頼も厚い人物であるため、期待度は高い。

 未来を描く1本の監督に抜擢されたのはシャルミーン・オベイド=チノイ。パキスタン出身のジャーナリスト・映像作家である彼女は、ドキュメンタリー作品で高い評価を獲得してきた人物で、これまでにアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を2度も受賞している。日本では、ラホールという街の音楽文化衰退を食い止めるために、伝統音楽の担い手たちがジャズに挑む様を捉えたドキュメンタリー映画『ソング・オブ・ラホール』(2015年)の監督として知られる。

 しかし、オベイド=チノイ監督はドキュメンタリーばかりを手掛けてきたわけではなく、『3 Bahadur』シリーズや『シターラ:夢を抱け、少女たち』といったアニメーション作品も手掛けているのだ。2020年にはマーベルのドラマシリーズ『ミズ・マーベル』の4話と5話のエピソードを監督しており、ハリウッドの大がかりな現場も経験済みだ。

 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の15年後を描くこの作品は、これまでの正史の先を描くものであり、未踏の時間軸である。オベイド=チノイ監督がどのような物語と紡ぐのか、今はまだわからないが、シリーズに新風を吹き込んでくれることを期待したい。

 既存のキャラクターを活かす内容もファンにとっては喜ばしいものだが、それらはいつか枯渇する。今回の発表で、ディズニーは『スター・ウォーズ』を永続的に発展させていく意思を示したと言えるだろう。監督の顔ぶれも多岐に渡るもので、従来のファンに満足できるものを作りながら、新しいファン層を開拓していこうという意欲を感じさせる。

 しかし、なにより嬉しいのは、やはり『スター・ウォーズ』がスクリーンに戻ってくることそのものだ。銀河に瞬く星々の輝きは、暗い映画館の大画面でこそ映えるし、その中で活躍するキャラクターたちも、映画館でこそ真の躍動を見せてくれるはずだ。

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