男娼とその恋人の葛藤描く『マネーボーイズ』公開 ミヒャエル・ハネケに師事した新鋭監督

 第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門に正式出品されたC.B.Yi監督の長編デビュー作『Moneyboys(原題)』が、『マネーボーイズ』の邦題で4月14日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 田舎の両親に仕送りを続けるため男娼として生きたフェイと、その恋人の葛藤を描き出す本作は、中国で幼少期を過ごし、オーストリアに移住後、ウィーン・フィムル・アカデミーにてミヒャエル・ハネケに師事したC.B.Yi監督の長編デビュー作。第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されたほか、台湾の金馬奨最優秀新人監督賞、最優秀主演男優賞にもノミネートされた。

 フェイは恋人のシャオレイと同棲しながら、体を売って田舎の両親に仕送りを続けている。田舎の家族はフェイからのお金を当てにしながらも、彼が同性愛者であることは一族の恥として受け入れない。ある日、フェイが顧客から暴行を受けたことを知ったシャオレイは、その男を見つけ叩きのめした。しかし、その男の部下たちが報復のためシャオレイに襲い掛かり、一緒にいたフェイは警察から逃れるためシャオレイを見捨て逃げ出してしまう。それから5年後、フェイは男娼として違う都市で羽振り良く暮らしていた。そこへ同郷の幼馴染ロンが自分も体を売って稼ぎたいとフェイの元に転がりこんでくる。そんなある日フェイはシャオレイと偶然にも再会するが……。

 主人公フェイを演じたのは、『あの頃、君を追いかけた』のクー・チェンドン。シャオレイ役はドラマ『お仕事です!〜The Arc of Life〜』のリン・ジェーシーが演じ、『3人の夫』のクロエ・マーヤンが1人3役を務めている。

映画『マネーボーイズ』予告編

 あわせて公開された予告編は、フェイ(クー・チェンドン)と家族が言い争うシーンから始まる。そしてフェイが男娼として過ごしている様子や、シャオレイと再会した様子が映し出されている。

■公開情報
『マネーボーイズ』
4月14日(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国順次公開
監督:C.B.Yi
出演:クー・チェンドン、クロエ・マーヤン、リン・ジェーシー、ザック・ルー、バイ・ユーファン
配給:ハーク
2021年/オーストリア、フランス、台湾、ベルギー合作/カラー/スコープサイズ/5.1chデジタル/120分/中国語/字幕翻訳:伊藤あゆみ
©KGP Filmproduktion, Zorba, ARTE France Cinéma,Flash Forward Entertainment, La Compagnier Cinematographique&Panache Productions 2021
公式サイト:hark3.com/archives/1872

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