『舞いあがれ!』山下美月演じる久留美が気の毒で仕方ない 顔合わせで窺えた八神の性根

 正直、久留美と八神が別れても何も驚かないし、そのほうがいいとさえ思ってしまう。八神は、「うめづ」で舞の兄・悠人(横山裕)に会ったとき「“こんなところ”で会えるなんて」と言っていた。「ノーサイド」に来た八神の母・圭子も「“こんな店”で」と発言していたわけだが、そういう部分からも八神の性根が窺えるのだ。

 確かに、「ノーサイド」のようなカジュアルなカフェで顔合わせをするのは誰かにとっては“非常識”なのかもしれない。八神の母親側に立てば、佳晴の存在が不安要素になると考えるのも無理はない。実際、女性の足元にしがみついてしまったのも良くなかった。それでも彼が「ノーサイド」でやることに固執した理由を聞くと、切なくなる。自分のたった一つの誇りであり、自慢であるラグビーの話が自然とできるから。それだけの理由、しかし彼にとってはそれだけとは言えない理由なのだ。その一部始終をただ受け入れ、八神の母に謝らなければならなくなった久留美も気の毒で仕方ない。彼女だって他人から見たら父がダメな人間であることくらいわかるけど、それを謝りたくはなかったはず。しかし、結果的に無礼を働いてしまったため、それについて謝らなければならなくなった。

 久留美がそんなことになっている一方、舞は無事に試作ボルトの序盤の試験をクリアしていく。しかし、ライバル会社である朝霧工業から嫌味を言われてしまった。貴司は貴司で、出版社の人に早速写真を撮られていて、「こんなふうに自分を売り出さなければいけないなら、僕はもういい」と賞を辞退してまた放浪してしまいそうな予感さえする。3人の行く末やいかに。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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