『どうする家康』松本潤へと繋がる川口和空の熱演に拍手! 鮮烈過ぎた竹千代と信長の過去

 尾張での地獄のような人質時代において、ただ言いなりになるだけではなく、竹千代は少しずつ成長していた。「弱ければ死ぬだけじゃ」「白兎! どうした、爪を立てよ」という信長に「違う!」と抗う声にも悔しさがにじむ。竹千代は信長を倒し、腕を締め上げた。「竹千代は兎ではない」「竹千代は寅じゃ! 寅なんじゃぞ」と狼のような信長に歯向かった。

 逆らう竹千代を信長は許すどころか、「待ってました!」とばかりに「そうじゃ、その目じゃ!」「その目だけは忘れるな」と我が子の成長を喜ぶ父のような眼差しを向ける。ただ力があり、恐ろしいだけでなく、何を考えているのか分からない……それが信長。竹千代時代のトラウマが続いてしまうのは致し方ないこと、そんな緊張感漂うやりとりを岡田准一相手にやり遂げた川口和空に拍手を送りたい。

 最終的に天下人となった徳川家康の人生では、人質時代がその人間形成に大きく影響しているといわれるが、信長のもとで地獄のような思いを味わったことは確かに影響がないわけがないと思える描写の連続を描いた第2回。今後も、戦国時代を生き抜く元康のあたふた(?)奮闘ぶり、信長との関係性の変化に注目していきたい。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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