『恋つづ』から『100万回 言えばよかった』へ 佐藤健×恋愛ドラマは鉄板に?
俳優の佐藤健といえば、どんな映画やドラマの役を思い浮かべるだろうか。デビュー当初は『仮面ライダー電王』(2007年/テレビ朝日系)の野上良太郎役や『ROOKIES』(2008年/TBS系)の岡田優也役などで、傷つきながらもさまざまな経験を通して成長していく姿を演じていた。最近は『義母と娘のブルース』(2018年/TBS系)の麦田章役や『恋はつづくよどこまでも』(2020年/TBS系、以下『恋つづ』)の天堂浬役のような、”いい男”のイメージが強い。
そんな”いい男”の佐藤と恋愛ドラマの組み合わせは最強だ。それを世間に知らしめたのが『恋つづ』の天堂だろう。佐倉七瀬(上白石萌音)の「天堂先生が好き!」という真っ直ぐで強い思いをちょっと嫌な顔をして跳ね除けていた“魔王”天堂もいいのだが、七瀬の思いを受け入れ、両思いになってからの激甘な天堂も見逃せない。「いや、そんなベタな……」と思ってしまうような胸キュンシーンでも、天堂と七瀬なら思わず「くぅぅ……!」という声が漏れてしまうほど本当に胸キュンしてしまう。
どうしてこうも佐藤と恋愛ドラマの相性はいいのだろう。その理由の1つは、佐藤がさまざまな性格の男性を巧みに演じられるからだ。現在、Netflixで好評配信中のNetflixシリーズ『First Love 初恋』も佐藤の演技が光る恋愛ドラマだ。佐藤演じる並木晴道は、「愛する人を守りたい」という思いから自衛隊へ入り、野口也英(満島ひかり)と遠距離恋愛をしていた。也英のことを心に留めつつ、訓練や任務に邁進する晴道の顔は凛々しい。晴道が也英をみる少し甘く優しい目線も感じられ、毒舌で厳しい側面もあった『恋つづ』の天堂とは違った人物像を佐藤は見事に演じている。
ひとつひとつの仕草がとにかくさまになるのも佐藤の良さである。『First Love 初恋』のキービジュアルには、キスをする寸前の也英と晴道の姿が捉えられているのだが、自分より低い位置にある也英を見つめている晴道の顔から、也英を愛おしいと思う気持ちが溢れ出ている。ドラマの中にも、こうして切り取りたくなるようなシーンが多くあり、とても印象に残るのだ。