種﨑敦美、アーニャ役での飛躍は必然だった 実力で掴んだ“2022年一番話題の声優”の座

 『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』は、今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、「Yahoo!検索大賞2022・アニメ部門」でも1位を獲得、アニメ/声優シーンの枠を越えて、同作は社会現象となった。メインキャラクターの1人であるアーニャ・フォージャーは特に人気が高く、ハロウィンシーズンの路上やFIFAワールドカップの応援席など、世界中にアーニャのコスプレが溢れていた。アーニャの実に子供らしい屈託のないかわいさと、たまに見せる大人びた表情や父と母を思う健気さ、さらに独特のたどたどしい口調が魅力的で、TikTokではアーニャのセリフを引用した動画も数多く投稿されている。

『SPY×FAMILY』が世界的に愛される理由 “未知”を知ろうとすることの大切さ

2022年春アニメの中で国内にとどまらず世界的に注目され、愛された『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』の第1クールが最終…

 アニメ/声優ファンでなくとも、声の主が誰なのか検索してしまうのは自然なこと。「Yahoo!検索大賞2022・声優部門」では、アーニャの声を務めた声優・種﨑敦美が1位を受賞した。受賞理由は、『SPY×FAMILY』のアーニャ役が話題を集めたことや、同作のエンディングテーマ「喜劇」を担当した星野源のラジオ番組『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にゲスト出演して話題を集めたことなどが挙げられる。12月15日に放送されたラジオ『種﨑敦美の寿司食いてェ!!』(文化放送)#100では、リスナーの質問に答える形で「作品と人に恵まれた1年だったということ。感謝、感謝、でございます」と受賞の気持ちをコメントした。

 種﨑は声優デビューから10年のキャリアを持ち、その実力はアーニャ役を務める以前から、アニメ/声優ファンの間で知られていた。アーニャのように、物語のキーパーソンとなる役どころを任されることが多く、『その着せ替え人形は恋をする』では、ヒロインの喜多川海夢が憧れるカリスマコスプレイヤーの乾紗寿叶役、『鬼滅の刃』では「遊郭編」に登場する宇髄天元の3人の嫁の1人で、涙ぼくろが色っぽい雛鶴役、『ブレンド・S』では同人漫画家という側面を持つ、メイド喫茶のお姉さんキャラの天野美雨役、『約束のネバーランド』では鬼と人間との間を取り持つムジカ、そして『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』では、主人公・空条徐倫たちを助ける少年、エンポリオ・アルニーニョ役をそれぞれ演じた。どのキャラクターも、物語の行方を左右する重要な役ばかりで、種﨑に対するキャスティング側の信頼の厚さが感じられる。

石上静香、東山奈央、種崎敦美、全員はまり役? 『鬼滅の刃』宇髄天元の嫁たちにも注目

宇髄天元=小西克幸、堕姫=沢城みゆきが発表された時も大きなニュースとなるなど、エピソードごとのキャストの豪華さが毎回話題となる『…

 主人公を務めることも多く、『Vivy -Fluorite Eye's Song-』では、主人公でアンドロイドの歌姫・ヴィヴィ役を担当。自分の中に芽生えた人間の心と課せられた使命との間で揺れ動く、難役を熱演した。さらに、高校の吹奏楽部を舞台にした『響け!ユーフォニアム』では、オーボエ担当の鎧塚みぞれを好演。みぞれとフルート担当の傘木希美を主人公にした劇場版『リズと青い鳥』も制作され、青春の1ページを切り取った淡く儚い物語を、見事に演じきった。また、『魔法使いの嫁』では、迷いながら少しずつ成長する主人公の羽鳥智世を担当した。そして『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』では主人公の少年・ダイ役を演じ、2年にわたった放送が終了した際は“ダイロス”になるファンが続出したほどだ。

関連記事