『相棒』水谷豊×寺脇康文の変わらなさに驚かされるばかり 右京×亀山の歩みを振り返る

「亀山くん」
「右京さん」

 懐かしい声で、こう呼び合うふたりが『相棒 season21』(テレビ朝日系)で帰ってきてから早数カ月。冷静沈着で淡々と物事を進めていく右京(水谷豊)と何かと勢いのある亀山(寺脇康文)に、長年のファンは懐かしさを感じていることだろう。さらにこれをきっかけに『相棒』のファンになった人もいるかもしれない。

  『season21』第3話でも逃亡者扱いされていた亀山だったが、右京と初めて出会った時は、なんと、とある事件の人質になっていた。亀山が拳銃を突きつけられ、身動きができない状態になるなど、事態が緊迫する中、右京は電話越しに犯人と会話。なんとか亀山を解放させることができたのだ。当時の右京は今よりもさらに辛辣な物言いをするタイプで、お礼にきた亀山に、亀山を助けたのではなく、狙撃班から犯人を救ったのだと言い、「テレビに映った君の姿は無様でしたよ」と言い放っている。亀山は、そんな右京にもちろんいい印象を抱かなかったようで、不機嫌そうな顔をした。事件終わりに「こてまり」で笑い合いながら酒を酌み交わしている今からは考えられない姿である。

 そこからふたりは特命係としていくつもの事件を解決してきた。“初代”亀山の最後の事件となったのは、感染すると必ず死んでしまうという殺人ウィルスを使ったテロ事件( 『season7』第8・9話)。ここでも、体を張った亀山が凶悪犯の人質となってしまう。この時、すでに強い信頼関係で結ばれていたふたりは、息のあった連携プレーをみせ、事件を解決。亀山は開放されたのだった。奇しくも出会った時と同じ状況となったことで、右京と亀山が特命係としてともに行動する中で互いにいい影響をもたらし、名実ともに“相棒”となっていたことがはっきりとわかる回だった。

 それから14年。ふたりの出会いから20年以上も経っているにも関わらず、そこには変わらない右京×亀山コンビが存在していた。ずっと右京を演じている水谷の変わらなさもさることながら、60代になってもなお、すらりとした体型でフライトジャケットを着こなす亀山を演じる寺脇には驚かされる。

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