『親愛なる僕へ殺意をこめて』“もう一つの殺人”はエイジの消滅? 川栄李奈に残る疑惑

 不可解なのが、ヒロインなのに活躍していないナミ(川栄李奈)の存在だ。エイジがナミを結果的に救いだしたことは、八野衣が被害者たちを売春組織から助けていたことと重なるが、そのための伏線だったのか。公式サイトの人物紹介でもナミに名字がないのが気になるところだ。

 そのほかにも、母親は本当に自殺だったのかという疑惑もある。「人殺しの子を生んですみません」という書き方が妙に引っかかる。単にエイジが二重人格になる理由の一つとして強調するための演出だったのだろうか。

 そして、亀一の妻でエイジの義母である珠代(阿南敦子)は、夫や娘の異変に気づきそうだが、夫に愛情を持っていなかったのか、黙認していたのか、あるいは協力していたのか。今作は歪んだ愛情を持つ登場人物ばかりで、その可能性も捨てきれない。

 それにしても、乙の人生はあまりにも可哀想だ。今後は父親である亀一の罪も家族が背負っていくことになるが、乙が家に帰ってきたとき、エイジは乙とどう向き合っていくのか。いつ命を狙われてもおかしくなく、最後まで緊張感のある関係だ。

 最後はエイジが戻り、可愛いらしさ全開の山田涼介の演技を再び見せてほしいところだが、一体どうなるか。この過酷な作品で素晴らしい名演を続けてきた山田が最後にどんな表情を見せるのか楽しみだ。

■放送情報
『親愛なる僕へ殺意をこめて』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:山田涼介、川栄李奈、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、髙嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一ほか
原作:『親愛なる僕へ殺意をこめて』原作:井龍一、漫画:伊藤翔太(講談社ヤングマガジン刊)
脚本:岡田道尚
総合演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
音楽:☆Taku Takahashi(m-flo)
主題歌:Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
制作著作:フジテレビジョン
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/shinainarubokue/
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