King & Prince 髙橋海人の魅力が爆発! 『ボーイフレンド降臨!』は代表作になる予感

 『ボーイフレンド降臨!』(テレビ朝日系)は、髙橋海人(King & Prince)の代表作になる。第1話を観た多くの視聴者が、そう確信したのではないだろうか。可愛くて、あざとくて、愛おしい。ダメダメなところも、「もう!」と言いながら許してあげたくなるような。髙橋が本作で演じるアサヒは、彼本来の魅力が全面に押し出されたキャラクターだったのだ。

 King & Princeのメンバーといる時の振る舞いから、天真爛漫な末っ子というイメージが強い髙橋。バリキャリOL×ペットの美少年の恋を描いた『きみはペット』のような作品に絶対ハマる!と思っていたため、35歳のかしこ(桜井ユキ)と渉(田中みな実)に奪い合われる(?)構図も、なんだかしっくりくる。持ち前の愛くるしさで、アラフォー女性たちの心をかき乱していくことになるのだろう。

 ただ、髙橋は『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ)の西野や、『ドラゴン桜』(TBS系)の瀬戸など、本来のイメージとはかけ離れた役柄にもハマることができる。というより、俳優としての彼の真骨頂は、そこにある気もするのだ。

 やさぐれつつも、憂いを帯びているような絶妙な演技。そんな心の葛藤を繊細に表現できるのが、彼の強みのひとつなのである。『ボーイフレンド降臨!』でも、“陰”の演技をするなかで培ってきた表現力が、存分に生かされていた。

 アサヒは、記憶を失う前と失ったあとでは、まったくの別人と化すため、振り幅のある演技を求められる。記憶を失ったあとのアサヒは素直で可愛いけれど、記憶を失くす前(漆畑澄人として生きていた時代)の彼は、かなり高飛車なのだ。

 日本が誇る100年に1人の現代美術家として、もてはやされていたためだろうか。女の子と食事をしていても、「気分じゃないから」と途中で帰り、仕事仲間から誕生日を祝福されても、仏頂面。年代物のワインをもらって、「苦労して手に入れたら、ワインって味変わんの? その苦労って、僕に関係ないよね?」と睨みつける姿なんて、実にふてぶてしい。「ありがとう」くらい言えばいいのに!とムッとしてしまうほど、嫌な奴だ。

 筆者は、髙橋が“陰”寄りのキャラクターに扮している時の演技に惹きつけられることが多いため、“ブラックな髙橋海人”まで観られるなんて……!となんだか感動してしまった。4月期放送のドラマ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)もそうだったが、オシドラサタデー枠は、“こんな〇〇が観たかった!”を実現してくれることが多いような気がする。

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