『相棒』寺脇康文が“新たな相棒”として見せた変化 右京×亀山の成長が印象的な幕開け

「右京さん!」

 その声に少し驚いたように立ち止まる杉下右京(水谷豊)と、物陰からいたずらっ子のように笑う声の主・亀山薫(寺脇康文)。このふたりの並びにニヤニヤしてしまった視聴者は多いのではないだろうか。大人気ドラマシリーズ『相棒 season21』(テレビ朝日系)が、“新たな相棒”として亀山を迎えて10月12日からスタートした。亀山はseason7以来、14年ぶりのシリーズ復帰となる。

 亀山は初代相棒で、杉下とは相棒だった期間が最も長く、共に数々の事件を解決に導いてきた。NGOのスタッフだった友人が殺害された事件をきっかけに、その友人が活動していたサルウィンで友人の遺志を継ぐことを決意し、警視庁を退職した亀山。現地では学校で日本語などを教え、最終的に校長になったという。今回はそのサルウィンで腐敗した政府を倒した、反政府運動のリーダー・アイシャ(サヘル・ローズ)とともに、サルウィン親善使節団の一員として来日。アイシャは亀山の教え子の一人らしく、流暢な日本語を杉下に披露していた。

 政治家の鑓鞍兵衛(柄本明)や片山雛子(木村佳乃)といった相棒ファンにとってはちょっと懐かしい面々も揃ったパーティは、終始和やかなムードが漂っていたが、突然、関係者の元に「アイシャを殺さなければ、旅客機を墜落させる」という脅迫文が届き、状況は一変。その旅客機には、亀山の妻・美和子(鈴木砂羽)も搭乗していた。会場の一角では、外務省幹部の厩谷(勝村政信)がアイシャを殺そうとするなど様々な影が動き出していた。

 杉下と亀山は、こちらもシリーズ再登場となる社美彌子(仲間由紀恵)などの手を借りて、脅迫者を追跡しようと試みる。その結果、杉下が導き出した結論は“ブラフ”。つまり、アイシャを殺そうと殺すまいと旅客機は着陸する可能性が高く、静観しろというのだ。それに対し、何も知らない妻が殺されそうになっている亀山は、「アイシャ一人の命と引き換えに、150人の、誰かの大切な人が犠牲になる」と訴えた。それは150人の命のために1人を殺すということを容認するということだ。

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