『ちむどんどん』心のときめきが進むべき道を示す 暢子がようやく見つけた自分の生きる場所

 9月22日放送の『ちむどんどん』(NHK総合)第119話では、思いを寄せ合う2人が結ばれ、暢子(黒島結菜)がやんばるへの移住を決意する。

 比嘉家を訪れた智(前田公輝)は、皆が見守る中で歌子(上白石萌歌)に気持ちを伝えようとするが、うまく言葉が出ない。それを見た歌子がとっさに民謡を口ずさむ。恋心を歌う「娘ジントヨー」の調べが行きわたり、張り詰めた空気をほぐした。歌い終えた歌子の前に智が進み出て、「好きなわけよ。歌子を思うとちむどんどんする。俺は歌子と結婚したい」と言ってプロポーズ。歌子は目を潤ませてうなずいた。

 幼なじみからかけがえのない存在へ。長い時間をかけて少しずつ互いの存在を確かめた2人の思いが、この日ついに成就した。一途に智を思い続けてきた歌子と、歌子を大事に思うあまり一歩を踏み出せずにいた智。2人に足りなかったのは少しの勇気で、20年という時間は近くて遠い距離を超えるために必要な時間だった。カチャーシーを舞う家族や村人だけでなく、観ているこちらも祝福したくなるような結末だった。

 やんばるに戻ってからの暢子は、親子の時間を楽しんでおり、開放的な環境でのびのびと過ごしているが、どこか浮かない表情に見える。その理由は東京に戻るべきかという問題だ。やんばるに帰るべきかではないのは、和彦(宮沢氷魚)、健彦(三田一颯)のいる今の暢子にとって東京がホームだから。やんばるの空、海、そこにいる人々。野菜を味わい、地元の人と会話する中で、あらためて暢子はやんばるの魅力に気付いた。

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