『ちむどんどん』暢子と矢作の信念が生んだ強い絆 成長と“らしさ”を演じ切った井之脇海

 『ちむどんどん』(NHK総合)第109話ではお金をめぐってひと騒動があり、矢作(井之脇海)の隠された本心があらわになった。

 客が入らず休業中の「ちむどんどん」。毎月の支払いと追加融資の相談のため、暢子(黒島結菜)は和彦(宮沢氷魚)と信用金庫へ向かうが、あわてて出て行ったせいで現金40万円の入った封筒を机の上に置き忘れてしまう。封筒を見つけた矢作はしばらく考え込む様子を見せる。

 ちむどんどんで働くことが決まった時、矢作が出した条件は給料をきっちり支払うこと。前話で矢作は、ちむどんどんの経営が苦しく給料が払えない、という暢子と和彦の会話を戸口から聞いていた。また「アッラ・フォンターナ」の元同僚・桃木(池田航)に一緒に店を出さないかと誘われていた。ちむどんどんは再開の見通しが立たず、矢作にとって渡りに船という状況。40万を持って逃げれば、桃木と店を経営し、当面の生活もなんとかできる。矢作の脳裏にそんな考えがよぎっても不思議ではない。

 お金を忘れたことに気付き、暢子たちが急いで店に戻ると、封筒は元の場所になかった。智(前田公輝)は矢作が盗んだと断定するが、暢子は「うちは矢作さんを信じてる」とかばう。そこに矢作が帰ってきて、不用心だったのでレジの中にしまっておいたと話す。暢子との会話で、矢作は店を立て直すのに自分は必要かと聞いた上で、「この店に残る」と宣言した。

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