ナンニ・モレッティがベストセラー小説を映画化 『3つの鍵』本編映像&場面写真公開

 9月16日より公開されるナンニ・モレッティ監督最新作『3つの鍵』の本編映像と場面写真が公開された。

 本作は、これまでオリジナルにこだわってきたモレッティ監督が、イスラエルの作家エシュコル・ネヴォのベストセラー小説『三階 あの日テルアビブのアパートで起きたこと』に惚れこみ映画化したもの。

 ローマの高級住宅街。ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住む裁判官夫婦の息子アンドレアだった。2階のモニカは夫が長期出張中のため1人で出産のため病院に向かう最中で、1階の夫婦は仕事場が崩壊したので娘を朝まで向かいの老人に預けることにした。小さな選択の過ちが、予想もしなかった家族の不和を引き起こし、彼らを次第に追い詰めていく。

映画『3つの鍵』本編映像(1階に住むルーチョ編)

 公開された本編映像「1階に住むルーチョ編」は、1階に住むルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)の部屋に、隣人夫婦の孫娘で大学生のシャルロット(デニーズ・タントゥッチ)が夜こっそりと訪ね、祖父母の秘密を探ろうと相談をする場面が切り取られている。

 夜眠れないルーチョは、妻サラ(エレナ・リエッティ)と娘が寝室に入ると薄暗い仕事部屋へと向かう。ルーチョは、隣人で認知症の老人と娘が公園で失踪したとき、老人が娘に何か悪戯をしたのではないかと疑っていた。

 ルーチョが机のパソコンの前に座ると、コンと物音がしガラス張りの扉の向こうに満面の笑顔のシャルロットが立っている。突然の夜の訪問者に困惑するルーチョだったが、仕方なく扉を開け彼女を部屋へと迎え入れる。

 そして、部屋に入ってきたシャルロットが「祖父が少し元気なった」と嬉々として話すと、ルーチョは「何かわかった?」ときつい口調で彼女を問い詰める。シャルロットは何が起きたかを祖母が隠そうとする不満と疑念を語る。ルーチョは真剣なまなざしで「確かに変だな。賢い君なら真実を突き止められるかも」と言うと、シャルロットは「本当に賢いと思う?」と頬を染め彼を熱い瞳で見つめる。

 ルーチョはシャルロットに「続けて調べてごらん。誰もいない隙に質問するんだ」と祖父から秘密を聞きだすよう唆し、頬にキスの挨拶をして去っていく彼女を見送る。

 ルーチョへ好意をアピールするシャルロットと、秘密を探るためにそんな彼女を利用しようとするルーチョ。隣人は扉の向こうにいったいどんな真実を隠しているのか。

 ルーチョを演じるリッカルド・スカマルチョは、フェルザン・オズペテク監督『あしたのパスタはアルデンテ』、ウディ・アレン監督『ローマでアモーレ』、『ジョン・ウィック チャプター2』など、数々の作品に出演しているイタリアの俳優だ。本作の後も、イザベル・ユペールらと共演、画家カラヴァッジョを演じる『Lʼombra di Caravaggio(原題)』の公開が控えている。

 また、シャルロット役のデニーズ・タントゥッチは、ドイツ人の母とイタリア人の父を持つ25歳。2014年に映画デビューを果たすと、2016年にパラマウント映画『ベン・ハー』のリメイクに出演し、2018年には『ひと夏の体験』で主演を務めた。

■公開情報
『3つの鍵』
9月16日(金)より全国順次公開
監督:ナンニ・モレッティ
原作:エシュコル・ネヴォ
脚本:ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
出演:マルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルヴァケル、ナンニ・モレッティ
配給:チャイルド・フィルム
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
2021年/119分/イタリア・フランス/ヴィスタサイズ/原題:Tre piani/字幕翻訳:関口英子/R15+
©2021 Sacher Film Fandango Le Pacte
公式サイト:https://child-film.com/3keys/

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