『競争の番人』は“公取”という珍しい題材の最適解 坂口健太郎にぴったりな小勝負の役柄

 さらには「踏みつけてくる相手に対して、怒れなくなったらそれで終わりです」や「ズルした人が勝つ世の中よりはいいでしょう」と、このドラマの、ひいては公正取引委員会の存在意義を証明するような台詞を語り、楓から「競争の番人」というタイトルに用いられるフレーズを引き出す。理知的でつかみどころがなく、それでいてかなり巧妙な人たらしたる小勝負という役柄。これは実に坂口健太郎にぴったりではないか。

 前クールの『元彼の遺言状』は第1話と第2話で大きな事件を扱い、第3話以降からテイストを変えたわけで、今作もそれに倣うのかと思いきや、またウエディングカルテルの一件は次回まで持ち越されるようだ。安易に引き伸ばすわけでも無理に詰め込むわけでもなく、手順を追うようにしっかりと練り込まれた構成。これは“公取”という珍しい題材を扱う上での最適解であろう。

■放送情報
『競争の番人』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:坂口健太郎、杏、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎、寺島しのぶ、新津ちせほか
原作:新川帆立『競争の番人』(講談社)
脚本:丑尾健太郎、神田優、穴吹一朗、蓼内健太
演出:相沢秀幸、森脇智延
プロデュース:野田悠介
制作・著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
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