『ちむどんどん』房子がフロアを沸かして大活躍 暢子は愛に“正直に”話す必要があったのか

 暢子の言葉を裏返せば、愛が和彦のことが好きということは置いといて、“和彦が”愛を好きだから、そして以前から付き合っているから諦めるという意味だ。言葉が足らないせいか、本心なのか、「和彦が心変わりをすればチャンスと捉える」という言葉として愛が受け取っても無理はない。そして、恋心が仕事に支障をきたしていた事実も、愛にとっては関係のないことだ。

 本人が楽になるために言ってしまいたい言葉でも、相手には聞かせない方がいい言葉がある。それは「嘘」ではないし、全てを伝えることが“正直者”的な美徳ではない。「困らせるようなこと」を言った自覚があるのであれば、自分が言いたいことを言うだけで、受け取った相手の気持ちを考えないことが良くないことであることを暢子は考える必要があるかもしれない。この問題は長女、良子(川口春奈)にも言えることだ。登校拒否をしていた生徒が学校に来始めたにもかかわらず、自分とのわだかまりが解けないことを“彼女が”気になるから、手を掴んでまで話を聞かせようとした。

 一方、自分にとっての“ちむどんどん”について考えた愛は、次の日に特集記事をやらせてくださいと田良島(山中宗)にお願いしにいく。「何があったんだ」と、その変わりように驚きつつも「大野にしかやれない企画にしてこい」と背中を押す田良島。和彦にも素直に自分から「ごめん」と謝り、ハキハキとオフィスを後にする彼女が“ちむどんどん”する姿を、今は何よりも応援したい。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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