百田夏菜子×落合モトキに癒やされる 『僕の大好きな妻!』“相手を知ること”の大切さ

 また本作は、知花を隣で支える悟の心情を嘘偽りなく描き出す。『僕の大好きな妻!』というタイトル通り、悟はかなりの愛妻家だが、もちろん人間だからイライラすることもある。知花が発達障害と知って、必要以上に肩肘を張ってしまったり、かと思えば知花が結婚指輪をなくしたことにモヤモヤして、そんな自分の器の小ささにまた落ち込んでしまったり。でも、そういう葛藤を含めて知花と真摯に向き合う姿が魅力的だ。不器用だけど、まっすぐ。落合モトキが体現する“理想的な夫”に心底惚れ込んでいる視聴者も多い。

 見ていて安心感のある可愛らしい夫婦だが、やっぱり二人だけでは解決できない問題も増えてくる。そんな時、彼らを導いてくれるのが周囲の人間だ。特にキーパーソンとなっているのが、宮野森先生と、漫画家を目指す悟の師匠・萬坊先生(小倉久寛)。二人が教えてくれるのは「相手を知ることの大切さ」だ。一緒にいればいるほど、私たちは忙しさにかまけて“それ”を怠ってしまう。相手の得意なことや苦手なこと、今悩んでいることは何なのか。そういうことを知ろうともしないで、表面的な言動だけに注目してしまうからすれ違いは起きる。それは発達障害の特性があろうとなかろうと同じ。

 たとえ喧嘩になったとしても、思っていることを言葉にして伝え合って互いを知る。私たちはみんな違う人間なのだから、夫婦・恋人・友達・親子・同僚、あらゆる人たちがそんな風に双方にとって居心地の良い関係性を築けたらいい。シンプルだけど、難しい課題に改めて向き合う知花と悟の姿に土曜の夜は癒されたい。

■放送情報
『僕の大好きな妻!』
東海テレビ・フジテレビ系にて、毎週土曜23:40~24:35放送
出演:百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、落合モトキほか
原作:ナナトエリ・亀山聡『僕の妻は発達障害』(新潮社『月刊コミックバンチ』連載中)
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:池谷雅生、畑中みゆきほか
演出:天野千尋、阿部雄一、倉木義典、畑中みゆき
プロデューサー:中頭千廣(東海テレビ)、松本圭右(東海テレビ)、浦井孝行(アップサイド)、小俣絵梨(アップサイド)
制作:東海テレビ、アップサイド
(c)東海テレビ

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