『恋マジ』“慣れない恋”にもがいた6人に訪れる結末とは 柊磨の幸せを願ってやまない

『恋マジ』純の問題、6人に訪れる結末とは

 『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)がついに最終回を迎える。恋に“マジ”にならなかった6名の男女が、気がつけばみんな恋に“マジ”になっている。しかし、だからこそ感じる痛み、孤独、もどかしさに悩む姿は、恋の始まりのワクワクした気持ちと同じくらい、私たち視聴者に伝わるものだ。特に、主人公の純(広瀬アリス)と柊磨(松村北斗)カップルの行方は前回ラストのクリフハンガーもあって、一番気になるところ。

 しかし、興味深いのは、本作が恋愛ドラマというテイでありながらも、実のところ描いてきたのが「毒親」や「パパ活」、「前科者の社会復帰」という社会的なテーマであることだ。純は幼少期に自分の恋愛にのめり込むあまり、育児放棄をしていた母に対して恨みを抱き続けている。そして、その母親の恋愛体質が彼女の持つ恋に対する嫌悪に結びついていることが明かされていた。そんな純が惹かれた柊磨も、ギャンブル及び“柊磨依存”の母・真弓(斉藤由貴)に何かと悩まされてきた人生である。

 自分が自分の両親を“毒親”だと認識した上で、純は真弓のことについても柊磨に「毒親は決して変わらない」と伝えた。それは、自分が自分の母親に対して思うことでもあったからだ。しかし、それを他人の親に言うことは正しいのだろうか。柊磨は母親が不安定でも、逆に彼女が死なないようにと幼い頃からそばで支えている。その事情や心境は柊磨本人にしかわからないことであり、 “自分も知っている”と勘違いした言葉をかけることは、彼にとって思いやりやリスペクトが少し欠けているのではないだろうか。

 こんなふうにコミュニケーションの取り方で間違うことは、恋愛に限らず人間関係の上で起きてしまうもの。恋の失敗から、自身が気づけなかった自分の悪いところも学べるものだ。そうやって成長していくはずだが、純がその過程の前に柊磨に拒絶されたことで傷ついて大津(戸塚純貴)に向かってしまうのも無理もない。恋愛に慣れていれば、好きな人と別れた後に一人でいることを選択し、恋の終わりを受け止めたり考えたりする理性や余裕もあるかもしれない。しかし、純は人生の“初恋”を体験したばかりで、それを突然失ってしまうことは自分の中に初めて大きな穴が空いたままの状態になることを意味する。パニックになって当たり前だし、そんな時に自分のことをよく知っていて、あんなふうにアプローチしてくれる男の子がいれば頼りたくもなるだろう。

 彼氏の母親問題は、仮に彼との将来を考えた上でも自分の人生と切っても切り離せないものに近い。そんな中で、彼女は柊磨と大津のどちらを選ぶのか。仕事もピンチな状態のため、独り身に戻って色々なことを整理し、またゆっくりと経験を増やしていくのだろうか。純というキャラクターの成長と判断に期待したいところだ。

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