NHKが“世界を席巻するドラマを作る”「WDRプロジェクト」開始 6月下旬から募集開始

 NHKが新たに “世界を席巻するドラマを作る”をテーマとした「WDRプロジェクト」を開始した。

 「WDR(Writers’ Development Room)」とは、NHKで新たに立ち上げる「脚本開発に特化したチーム」のこと。

 最大10名をメンバーとして選抜し、それぞれにオリジナルの企画で脚本を開発していく。現段階で映像化・放送されることが確約されているわけではないが、シリーズドラマとして放送されることを目指し、活動を行っていく。

 選抜されたメンバーは、自分の企画で「パイロット脚本(シリーズドラマの第1話)」を執筆する。また、構想段階から他のメンバーと物語の内容を共有し、お互いにアイデアを提供する「ブレスト会議」にも参加することができる。

 海外ではシリーズドラマを制作する際、複数の脚本家が「ライターズルーム」という場に集い、共同執筆することが一般的。ブレスト会議は、このライターズルームの役割を果たす。構成を考えることが得意な人が、セリフを書くことを得意とする人とのコラボレーションが可能となる。展開に行き詰った時、一緒に悩み、考え、アドバイスをくれる仲間。意見を取り入れるかどうかの最終的な判断は執筆者に委ねられる。才能を掛け合わせることで、完成度のより高い物語を開発する。それがWDRの目指す形となる。

 執筆された脚本は、NHK局内の提案会議にてプレゼン。企画が採択され、放送が決定した際には、発案者のメンバーを中心に、第2話以降の脚本開発が行われる。

 本プロジェクトのディレクターは、NHK大河ドラマ『真田丸』、『鎌倉殿の13人』、朝ドラ『まんぷく』、よるドラ『だから私は推しました」などの演出を担当した保坂慶太が務めている。

「WDRプロジェクト」ディレクター 保坂慶太 コメント

「世界を席巻するシリーズドラマを作る。」このプロジェクトが抱く野望です。莫大な予算を使って撮影に臨む、ということではありません。WDRは、ドラマの根幹である「企画と脚本」に資するプロジェクトです。

世界中の優れた新作ドラマが毎日のように届く中、私たちはドラマの開発方法を見直し、変革する必要に迫られています。そこで今回のプロジェクトでは、海外のシステムも取り入れ、従来とは異なるスキームで脚本開発することに挑戦します。なるべく間口を広げて才能を発掘し、選抜メンバーがコラボレーションする場を設けます。「チーム」で物語の強度を高めることが、WDRの狙いです。

ドラマの脚本を書いたことがなくても構いません。例えば、漫画家・コント作家・構成作家・コピーライターの方も大歓迎です。物語を書くことを生業にしたい学生や社会人の応募も待っています。ストーリーテラーとしての皆さんの強みを、課題脚本を通じて是非教えてください。

この声掛けにどんな人が応じてくれるか、今は見当もつきません。ですが、才能と大志を併せ持つ仲間が集うと信じて、宣言します。WDRでは、イッキ見したくなるほど夢中になる、そんなシリーズドラマの脚本開発を目指します。

■募集概要
▼応募資格
2022年10月から2023年5月まで、週1・2回の会議に参加して脚本を提出し続けることが可能な方。
学歴・年齢不問。ドラマ業界ですでに仕事をされている方はもちろん、漫画・コント・小説・演劇・映画・アニメ・ゲームなどの分野で物語を作ってきた方、あるいは経験はなくても物語を作ることを生業にしたい方。

▼応募方法
2022年6月下旬から公式サイト(https://www.nhk.or.jp/wdr)で受付開始予定。
締め切りは2022年7月31日(日)23:59。
応募には、以下の課題脚本の提出が必要。
締め切り間際は回線が混雑する恐れがあるため、ゆとりを持っての提出を。
応募の際には別途掲載する応募規約を必ずご確認いただき、了承した上でご応募ください。

▼課題脚本
・オリジナルの脚本15ページ。
・原作があるものは不可、ご自身お一人で執筆した未発表のものに限ります。
・連続したページであれば、物語の始まりでも途中でも構いません。完結する必要もありません。
WDRでは、「思わずイッキ見したくなる」海外ドラマの脚本を意識して執筆してもらいます。
課題脚本の審査でも、「続きが気になること」を重要視します。
そのためにも、主人公の「目的」や「壁」も分かるようにしてください。
・用紙はA4を横に使用、タテ書き、MS明朝、黒字のみ、字数は自由。 
・最大15ページまで。タイトルページ、人物表、あらすじ等は不要で、脚本本文のみをPDF形式で
アップロードしてください。作品タイトルは、PDFのファイル名として記入してもらいます。
・2次選考では、「課題脚本のリライト」を提出してもらいます。
・NHKのディレクター、プロデューサーが選考します。

▼スケジュール  ※状況に応じて変更する可能性あり。
2022年
7月31日(日):応募締め切り
8月:1次選考・合否連絡
9月:2次選考・面談/課題脚本リライト
必要に応じて3次選考
10月:選抜メンバーの発表、活動開始    
2023年
5月:活動終了
5月以降:企画採択された場合、シリーズ開発(一部メンバーのみ)
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/wdr

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