『ドクター・ストレンジMoM』降板のスコット・デリクソン監督、カムバックの意志明かす

 2016年に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『ドクター・ストレンジ』でメガホンをとり、続編『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(以下、『MoM』)にも監督として続投する予定だったスコット・デリクソン。2020年1月に続編から降板することを発表した監督が、その本当の理由を明かしている。

 『MoM』から離脱した当時、デリクソンは「創造上の相違」を理由に挙げ、監督の座からは降りたが、製作総指揮として残留した。巷では、『エミリー・ローズ』(2005年)や『フッテージ』(2012年)といった数多くのホラー映画を手がけているデリクソンについて、「(マーベルのような)家族向けのディズニー作品とは相性が悪いのだろう」といった声も囁かれていたようだ。

 そんななか、Empire誌のインタビューに応じたデリクソンが、『MoM』の監督から降板しなければならなかった本当の理由について口を開いた。

「私は幼少期のトラウマに対処するために、何年もセラピーを受けていました。私は暴力的な地域、そして暴力的な家庭で育ったのです。みんながベルトで叩かれ、もっとひどい目にも遭わされました。通学中にはたくさんの血が流れてケンカが絶えず、常に暴力が存在するのが、あの労働者階級界隈の性質だったのです」

 『ドクター・ストレンジ』続編から降板した理由は、メンタルヘルスの問題に対処するためだったと告白したデリクソンは、「自分のキャリアにおいて最も難しい決断でした」とも述べていた。続編から離脱した当時は、「マーベルと確執があるのではないか」といった様々な噂が書き立てられたが、その点についても監督が言及。「ゴシップに反して、(私の降板は)すべてが本当に友好的で、そこ(マーベル)で再び働きたいと思っています」と答え、マーベル作品にカムバックする意欲を見せていた。

 なお、『MoM』には、デリクソンと同じくホラー畑出身のサム・ライミが就任。現時点でシリーズ第3作は正式に発表されておらず、実現するとしても誰が監督を務めるかは未知だが、なんらかの形でデリクソンがMCUに復帰することを期待したい。

参照

https://www.syfy.com/syfy-wire/scott-derrickson-doctor-strange-exit-the-black-phone
https://screenrant.com/doctor-strange-2-director-scott-derrickson-exit-response/
https://fandomwire.com/scott-derrickson-reveals-leaving-doctor-strange-2-was-hardest-decision-of-his-career/

■公開情報
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
全国公開中 
監督:サム・ライミ
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、エリザベス・オルセン、ベネディクト・ウォン/レイチェル・マクアダムス、キウェテル・イジョフォー、ソーチー・ゴメス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2022

関連記事