『パリピ孔明』が海外でも高く評価される理由は? いちいち心憎い音楽の仕掛け
本作のオープニングテーマ「チキチキバンバン」は、10年近く前にハンガリーの歌手ジョリーが歌った楽曲の和製カバー。“英語ではない洋楽”に空耳的な日本語歌詞を上手く当てはめた主題歌は、従来のアニメソングになかった新鮮さと驚きで視聴者に受け入れられた。ユーロビートのリズムに乗った孔明が、ゆるゆると流れるように踊るタイトルバックも好評で、avex picturesの公式YouTubeチャンネルにアップされた「チキチキバンバン」のノンテロップ映像は、わずか3週間で651万回の再生(2022年5月現在)と、12万の高評価を得ているのだ。原曲の発祥地であるハンガリーでも、日本のアニメにジョリーの楽曲が使われていることは報じられており、海の向こうでもこの主題歌が話題になっているのは何気に凄い。「チキチキバンバン」オリジナル版も、『パリピ孔明』の影響で久々にヒットチャートに現れる相乗効果を生んでいる。
エンディングテーマ「気分上々↑↑」も10年以上前に日本の音楽ユニットmihimaru GTがリリースした同名曲のカバーなので、オープニング同様、聴く人によっては「懐かしくて新しい」と、不思議な感動が湧き上がってくるだろう。ディフォルメキャラの孔明と英子が動き回る可愛いタイトルバックも見どころ。「気分上々↑↑」は96猫と孔明役の置鮎龍太郎による歌唱だが、放送が進んで新キャラクターが加わるとヴォーカルに変化があったり、新キャラがエンディングの中に現れたりとマイナーチェンジぶりが楽しめる。こちらのノンテロップ映像もまた、公式YouTubeで275万回と上々の再生回数だ。
余談だがパリピとは、クラブやイベントなど人が集まる賑やかな場所で盛り上がる人=party people→パーリーピーポゥーから転じた若者語で、上手く英語訳できないことから、本作は海外で「YA BOY KONGMING!」のタイトルで配信されている。このYA BOYというのは、ラップでゴキゲンな気分の時に飛び出すヒップホップ由来のワードなので、ここもまた音楽絡みで物語に寄り添った粋な英語タイトルが付けられているわけだ。
中国の軍師・諸葛孔明が現代のクラブミュージックに興じるユニークな設定が海外勢にも大ウケしていることから、前述の主題歌ノンテロップの動画には、海外ファンからの好意的なコメントが多く付いている。日本のみならず海外からも熱い視線が送られている『パリピ孔明』。果たしてこの先、どんな展開が待ち受けているのか? 英子は夢に手が届くのか?
■放送情報
『パリピ孔明』
TOKYO MX、MBS、BS日テレにて放送中
キャスト:月見英子(CV.本渡楓/歌唱.96猫)、諸葛孔明(CV.置鮎龍太郎)、KABE太人(CV.千葉翔也)、久遠七海(CV.山村響)、オーナー小林(CV.福島潤)
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:本間修
シリーズ構成:米内山陽子
キャラクターデザイン:関口可奈味
プロップ設定:宮岡真弓、牧野博美
美術監督:東潤一
美術設定:藤井祐太
色彩設計:江口亜紗美
3D監督:市川元成
撮影監督:富田喜允
編集:高橋歩
特殊効果:村上正博
音響監督:飯田里樹
音楽:彦田元気(Hifumi,inc.)
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「パリピ孔明」製作委員会
(c)四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会
公式サイト:https:// paripikoumei-anime.com
公式Twitter:@paripikoumei_pr