本渡楓、視聴者の心を掴む“叫び” 『パリピ孔明』月見英子と重なる真摯な表現

 三国志の諸葛亮孔明が、渋谷のハロウィーンに突如現れクラブで音楽指南。奇想天外なストーリーと本格的なクラブサウンドが話題のアニメ『パリピ孔明』。本渡楓が演じるヒロイン・月見英子の、ピュアで愛らしいキャラクターにSNSでは「かわいい」「おしゃれ」「負けるな!」など多くの共感の声が集まっている。

 アニメ『パリピ孔明』は、三国志で有名な諸葛亮孔明が現代の日本に蘇り、駆け出しの歌手・EIKOとして活動する月見英子の軍師となって、世界最大規模のEDMフェスへの出場という彼女の夢を叶えるために、様々な計略で手助けをするという物語。『週刊ヤングマガジン』で連載中の原作・四葉夕卜、作画・小川亮による漫画で、斬新な設定と夢を目指して敵を倒していくような胸アツのストーリーが話題となり、2020年に『次にくるマンガ大賞2020』にて「U-NEXT賞」を受賞。コミックスは9巻まで発売され累計55万部を突破する人気作だ。

 本渡が演じる英子は、どんな時でも冷静沈着な孔明とは対照的に、非常に表情豊かなキャラクター。自信を失って落ち込んだり、孔明にハッとさせられて元気を取り戻したり、泣きわめいたり怒ったり。自分の夢の実現に向けて、常に一生懸命な女の子。本渡はそんな英子を生き生きと演じ、キャラクターに命を吹き込んでいる。

 英子について、「彼女を知れば知るほど、もしかしたら私に近いものがあるかもしれないと思うことが増えていきました。やりたいことがあるけど自分に自信を持てないところとか、ネガティブなところもあって要素も持ち合わせていて。でも夢をあきらめたくないひたむきさや自分が好きなことをしている時にはキラキラしていて、私もそうありたいなと思わせてくれる」(※1)と本渡は話す。また「私はもともと“あの人になりたい!”という変身願望が強い子どもだった」(※2)とも発言しており、こうした共感や願望を原点としていることで、本渡をより英子たらしめているのかもしれない。

 本渡は高校時代は演劇部に所属し、アルバイトをしながら養成所に通った。デビュー間もなくして『かみさまみならい ヒミツのここたま』の四葉こころや『不思議なソメラちゃん』の野乃本ククルなど大役を与えられたが、壁にぶつかることもあった。過去のインタビューでは、「以前は“七色の声”を目標にしていた時期があったのですが、上手くできず、役にもなかなか巡り会うことができなくて。音響監督さんが『もっと“素直に”お芝居をしたらいいのに』と言葉をかけてくださったことがありました。まずは自分の声を大切にする。その軸を持って、今は役と向き合っています」(※3)と当時を振り返っている。

 これまでに実に多彩な役を演じてきた。『亜人ちゃんは語りたい』では、人なつっこくイタズラ好きのバンパイア少女・小鳥遊ひかり。『ゾンビランドサガ』では、迷いながらも仲間と共にアイドル活動を行う熱さを持ったゾンビ少女・源さくら。また、『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』では、おっとりした性格ながら気づけばゲームの世界で最強になっていたメイプル(本条楓)。『魔女の旅々』ではクールで聡明な魔女・イレイナ。『手品先輩』では不器用であがり性の奇術部の部長・先輩など。多彩さは、自分の声や演技と真摯に向き合った結果だろう。

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