『シング・ア・ソング!』映画オリジナル曲が流れる本編映像公開 著名人コメントも到着

 5月20日に公開される映画『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』の本編映像が公開された。

 本作は、イギリスの人気TV番組『The Choir(原題)』でも特集された、“軍人の妻”合唱団の実話を映画化したヒューマンドラマ。2009年、愛する人を戦況が激化するアフガニスタンへ見送り、その帰りを待ちながらイギリス軍基地で暮らす女性たちが、合唱団を結成。互いに支え合い前向きに生きるために始めたこの活動はメディアにも取り上げられ、やがて全英中、そして世界各地へと広がるムーブメントとなっていく。

 合唱団結成を主導した2人の妻ケイトとリサを、米アカデミー賞ノミネート&英国アカデミー賞(BAFTA)受賞のクリスティン・スコット・トーマスと、BAFTAノミネート経験者のシャロン・ホーガンがそれぞれ演じる。

『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』本編映像公開

 公開された本編映像は、戦没者追悼(リメンブランス・デー)イベントでの“軍人の妻”合唱団による「ホーム・ソーツ・フロム・アブロード」歌唱シーン。リメンブランス・デーとは、1918年11月11日の第一次世界大戦終結を記念してイギリス国王ジョージ5世によって定められた記念日で、映画の舞台となるイギリスでは毎年この日に戦没者追悼行事が行われている。

 合唱シーンでは、軍人の妻たちの胸に、ヒナゲシの赤い花のブローチがつけられている。そして、妻たちの背景にもヒナゲシの赤い花の映像が上映されている。イギリスでは、ヒナゲシの赤い花は兵士が戦地で払った犠牲を象徴する花として広く知られており、その起源は、医師で詩人のジョン・マックレーが1915年に戦没者追悼のために書いた「イン・フランダース・フィールズ」。その詩の一節にヒナゲシが印象的に登場していることから、ヒナゲシの赤い花が第一次世界大戦の戦没者を追悼するシンボルになったとされる。

 身近で多く使われるこのシンボルになぞらえて、“目立つ、背の高いヒナゲシになるな”と、謙虚であることを求められる軍人の妻たち。イベントを前にまとめ役のリサによる「私たち、ヒナゲシじゃなくヒマワリになってやろう!」というセリフには、深い意味が込められていたのだった。

 合唱団が歌う「ホーム・ソーツ・フロム・アブロード」は、戦地にいる夫やパートナーへの愛情を歌詞に込めた映画オリジナルの楽曲。また、戦地にいる夫やパートナーとの手紙の言葉から歌詞が紡がれたという設定は、本作のモデルになった実在の“軍人の妻”合唱団のオリジナル曲で、全英1位獲得の楽曲 「Wherever You Are」とも共通している。

 また、本編映像公開にあわせて、著名人よりコメントも寄せられた。

コメント

奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)

わきまえることを求められながら、「夫を待ちわびる従順な妻」としてではなく主体的に連帯する軍人の妻たち。ヒット曲の見過ごされがちな真のメッセージが彼女たちの心を通して歌われることでピュアに飛び込んでくる。 Tears For Fears『Shout』には意表を突かれた!

三枝成彰(作曲家)

まさにいま、多くの人に観られるべき映画だ。 大切な人が戦地に赴いているとき、故郷で待つ家族はどのような気持ちだろう。 過酷な状況に身を置いているのは、夫も妻も同じだ。 耐える気持ちを笑顔に変えた彼女たちのせいいっぱいの歌声が、私たちの心に響く。

清水敬一(全日本合唱連盟理事・合唱指揮者)

ストーリーの中に、合唱が出来上がるまでの楽しさとかなしみが溢れていて、打たれました。 軍人の妻である一人一人が、異なる背景を持ち、別々の想いを携えて、だからこそ、心が込められた歌が紡がれていく表現が素晴らしいです。

ジョン・健・ヌッツォ(テノール歌手)

戦争により引き離された大切な人を待たなければいけない女性たちが、歌うたびに楽しみ、感動し、時には寂しさを味わうことで一つになっていくことが描かれていて、歌手として歌の持つ力を再確認しました。歌は心の深いところにある寂しさに光を当ててくれます。Sing a song!Wonderful movie!!

土屋礼央(アーティスト、タレント)

この映画を観ると誰かと歌いたくなります。 ハーモニーはそれぞれ歩み寄る事で生まれます。自分の声を聞くより他人の声を聞いた方がハモったりします。これって日常も同じかも知れません。戦争が身近に感じざるを得ない世の中になった今こそ観て欲しい映画です。

LiLiCo(映画コメンテーター)

大変な状況を乗り越えるには仲間からの支えが必要。でも奥様たちをひとつのことに集中させることは難しい。しかしそこには音楽の魔法があった。何が良いって、悲しみよりも優しさに涙が溢れる。そしてこの奥様たちの気持ちが通じて幸せが世界中に広がっていることに、私はいま幸せを噛みしめています。

■公開情報
『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』
5月20日(金)公開
監督:ピーター・カッタネオ
出演:クリスティン・スコット・トーマス、シャロン・ホーガンほか
配給:キノフィルムズ
(c)MILITARY WIVES CHOIR FILM LTD 2019
公式サイト:singasong-movie.jp

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