若月佑美、先輩の教えによって変化した考え方　「恥を横に置いて行動するようになった」

　宇山佳佑の恋愛小説を中島健人（Sexy Zone）と松本穂香の共演で実写化したNetflix映画『桜のような僕の恋人』が3月24日から全世界独占配信となった。カメラマンになるという夢を追う朝倉晴人と、人の何十倍も早く老いていく難病を発症してしまった美容師・有明美咲の歩む道を描き出す。

　そんな本作で、中島演じる晴人の先輩カメラマン・市川真琴を演じているのは、ドラマや映画、舞台など多方面で活躍している若月佑美だ。初のNetflix作品で感じたことや、主演の中島から学んだことなどについて話を聞いた。【インタビューの最後には、コメント動画＆サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「『日本の映画って素敵だな』と思ってもらえると嬉しい」

ーー『桜のような僕の恋人』はNetflix映画となりますが、Netflixの作品に出るのは今回が初めてですよね。

若月佑美（以下、若月）：初めてでした。やっぱり他の作品とは違いましたね。

ーーどういうところが違うと感じましたか？

若月：いろんな方が言っていらっしゃるように、撮影に入る前にハラスメント講習があったので、その段階で空気感がしっかり作れるというか、意識が高まったところからのスタートでした。新しい経験をさせていただいたなと思いましたし、世界配信ということで、身が引き締まる思いを持ちながら取り組ませていただきました。

ーーやはり世界配信というのは大きいですよね。

若月：普段、世界を意識することなんてほとんどないんですけど、最近は韓国映画や韓国ドラマ、K-POPが世界中で大流行していることもそうですが、国と国の境目をあまり感じなくなってきたなと思います。そういうものがどんどん広がっていくのは素敵なことですよね。私も韓国ドラマが大好きで、韓国ドラマを観ているときに「韓国ドラマって素敵だな」と感じることがあるので、世界の方にこの『桜のような僕の恋人』を観ていただいて、「日本の映画って素敵だな」と思ってもらえると嬉しいですね。

ーータイトルにも入っている「桜」など、日本的な要素も多いですもんね。

若月：そうですね。日本の作品の良いところって、すごく繊細なところだったり、感情に向き合うことがしっかりと描かれていることだと思うんです。“エンタメ”な派手な感じももちろん素敵だなと思うんですけど、日本の作品ならではの緻密な感じが私は好きなので、そういうところが世界に届いてほしいなと思います。

ーー実際に完成した作品をご覧になったときはどういう感想を抱かれましたか？

若月：人を思うことって素敵だなと思いましたし、遅かれ早かれ誰しもが“死”というゴールに向かっているんだなということを改めて考えさせられました。だからこそ、私は恋愛パートのところでも、「“生きる”ってどういうことだろう」とか、「明日自分がもし消えてしまうとしたら、今日をどう生きるだろうか」ということを考えて演じていましたし、この作品が、もしかしたら誰かの人生を変えるかもしれないなと思ったりしました。ご時世的にも、普通に生きて、普通に楽しいことをすることがどれだけ尊いことかということを、この作品を通して改めて感じました。

ーー若月さんが演じられたのは、朝倉晴人（中島健人）の先輩カメラマンである市川真琴です。役作り的にはどんなことを意識して撮影に臨まれましたか？

若月：この作品を撮影していたとき、並行して『結婚できないにはワケがある。』（ABCテレビ）の撮影も行っていたんです。『結婚できないにはワケがある。』がすごくコメディな作品だったので、自分の中ではその切り替えが結構大変でした（笑）。『桜のような僕の恋人』の撮影時に、たまに引っ張られて『結婚できないにはワケがある。』の方でやっていたオーバーなリアクションや動きが出そうになるときもあって。そうなったときに、監督が「今スイッチ入ったよ」と教えてくださったりしていました（笑）。

ーー（笑）。確かにジャンルが全く違うと切り替えが難しそうですね。

若月：『結婚できないにはワケがある。』は感情の起伏が激しい役で、怒っていると思ったらすぐに笑っていて、笑っているかと思えば泣いていて……みたいなことをわかりやすくやっていたんですけど、『桜のような僕の恋人』の真琴は、感情をあまり出さないところがあったので、その切り替えは私自身もすごく学びがありましたね。あと、監督が「自分が素直に感じたことを出すだけでいいから」と言ってくださったりして、本当に監督と現場に助けていただきました。