国内外の映画や朝ドラなど多数の作品に出演 阿部純子が語る、これまでの歩みと今後の挑戦
「基本的に自分に満足することが少ない」
――テレビ作品ですと、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』『おちょやん』で“朝ドラ”の現場を経験されました。
阿部:『おちょやん』のときはちょっとお姉さんな役どころで、私自身が人にそういうふうに接したことがなかったので新鮮でした。こういった役をいただいたことで、「物語をもっと面白くするために自分ができることには、もっと色々な角度があるんだ」と感じられました。『とと姉ちゃん』で演じた綾さんは、お嬢様だったのが夫を亡くし、子どもを一人で育てる役どころ。苦しみからはい上がっていく役をやらせていただいたことで、自分自身も役と一緒に成長していく感覚になりました。これは『おちょやん』もそうで、朝ドラって役をいただいた時点で出演者にも一緒に成長していくことが求められている気がします。
――これまで幅広い役柄に挑戦してこられましたが、役を落とし込む・立体化するうえでどんな方法論をお持ちなのでしょう?
阿部:役をいただいている期間、生活の中でもヒントを見つけようとしています。「この役だったらこういう時どうするかな」をずっと考えている感じでしょうか。あとは街中で役のイメージに近い雰囲気を持った方を見かけたりすると、想像が膨らみますね。
――なるほど、“同化”と“観察”ですね。
阿部:私は基本的に自分に満足することが少ないといいますか、「演じられた」となかなか思えなくて。留学中に演技学校で「対象を認識してから演じる」というゲーム形式のワークショップに参加したのですが、私はすぐ反射的に答えてしまう癖があったんです。自分の「こうしてみよう」という感覚で動きがちというか。でも参加者の一人に、すごく考えてかつ的確にレスポンスできる子がいて「演技って瞬発力があればいいものじゃない」と感じたんです。自分の感性で動くことだけが求められている職業じゃない。もっともっと自分の役であったり、相手のことを考える感覚を補いたいというのは自分に課していることです。例えば、将棋でトレーニングをしたり……。
――将棋!
阿部:自分で打つこともあるのですが、盤面をじっと見るんです。「相手は何を考えてこの手を指したんだろう?」と考えることで、思考を推し量る訓練をしています。
――非常に面白いお話、ありがとうございます。最後に、今現在の目標を教えて下さい。
阿部:いま「難しいな」と思っているのは、海外のオーディションですね。ずっと英語を続けていますし全力でトライしているのですが、なかなか役をいただくのは難しいです。アジア人としても壁がありますし、努力しないとチャンスが来ないけど、努力してもなかなか来ない。ここを越えていけるようになりたいなと思います。
※河瀬直美の「瀬」は旧字体が正式表記
■公開情報
『リング・ワンダリング』
公開中
出演:笠松将、阿部純子、片岡礼子、品川徹、田中要次、安田顕、長谷川初範
監督:金子雅和
脚本:金子雅和、吉村元希
劇中漫画:森泉岳土
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
2021年/日本/カラー/5.1ch/1:1.85/DCP/103分
(c)2021 リング・ワンダリング製作委員会
公式サイト:ringwandering.com
公式Twitter:https://twitter.com/ringwandering_
公式Facebook:https://www.facebook.com/Ringwandering.movie
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