W受賞なるか？　第94回アカデミー賞にノミネートされた“パワーカップル”に注目

2020年第92回アカデミー賞には監督カップルも

　ハリウッドのパワーカップルは俳優同士だけではない。2020年の第92回アカデミー賞では、監督カップルの同時ノミネートもみられた。過去に『イカとクジラ』（2005年）でアカデミー賞作品賞、脚本賞ノミネートされたノア・バームバックと、『レディ・バード』（2017年）でアカデミー賞監督賞、脚本賞ノミネートされたグレタ・ガーウィグだ。

　ガーウィグが主演兼脚本を務めた『ハンナだけど生きていく！』（2007年）を観たバームバックが、彼女を自身の監督作『ベン・スティラーの人生は最悪だ！』（2010年）にキャスティングしたのが2人の出会い。同作でガーウィグは女優として注目されたが、もともと創作意欲が強かった彼女は、脚本家・監督業へとシフトしていく。彼らは2011年ごろから交際をはじめたようだ。『フランシス・ハ』（2012年）と『ミストレス・アメリカ』（2015年）ではガーウィグが主演を務め、バームバックと共同で脚本を執筆した。

　2020年のアカデミー賞では、ガーウィグの『ストーリー・オブ・マイ・ライフ／わたしの若草物語』と、バームバックの『マリッジ・ストーリー』がともに作品賞にノミネートされ、カップルでの“対決”となった。同業者としてクリエイティブな面で刺激を与え合う2人の関係性に、あこがれる人も多いだろう。

まだまだいる！　ハリウッドのパワーカップル

　今年のアカデミー賞は、ペネロペ・クルス＆ハビエル・バルデム夫婦とキルスティン・ダンスト＆ジェシー・プレモンスがそれぞれ俳優部門で夫婦ともにノミネートされたという点でも注目が集まっている。しかしハリウッドのパワーカップルは、もちろん彼らだけではない。では、ほかにはどんなカップルがいるのか紹介しよう。

　ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラは、『her／世界でひとつの彼女』（2013年）で出会い、2016年に映画『マグダラのマリア』（2018年公開）の撮影で再会。その後交際をスタートさせた。フェニックスは2019年、『ジョーカー』で4度目のノミネートにして初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞。マーラのほうは『ドラゴン・タトゥーの女』（2011年）でアカデミー賞主演女優賞、『脚本家』（2015年）で助演女優賞にノミネートされた。後者ではカンヌ国際映画祭で女優賞を獲得している。実力派俳優同士のカップルだ。

　今回のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされているウィル・スミスも、妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスとともにパワーカップルとして知られている。テレビシリーズのオーディションで出会ったという2人は1995年に結婚。1998年には長男のジェイデン、2000年には長女ウィロウに恵まれた。現在は子どもたちも俳優や歌手、モデルなど芸能活動で注目を集めている。

　2021年のアカデミー賞で主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンドの夫は、映画監督でプロデューサーのジョエル・コーエンだ。2人はコーエン兄弟の監督デビュー作であり、マクドーマンドの映画デビュー作である『ブラッド・シンプル』（1984年）のオーディションで出会い、すぐに結婚。1996年、コーエン兄弟監督、マクドーマンド主演の『ファーゴ』は高い評価を獲得し、アカデミー賞で脚本賞と主演女優賞を受賞した。カンヌ国際映画祭の常連で、名実ともに現代のアメリカを代表する巨匠と、アカデミー賞を3度受賞した女優の大物カップルだ。

　ハリウッドのパワーカップルは本当に枚挙にいとまがなく、ここで紹介したのはごく1部だ。俳優同士や監督同士、また俳優と監督など、そのかたちもさまざま。今回のアカデミー賞では、主演賞、助演賞にそれぞれ俳優同士のカップルがノミネートされているため、賞のゆくえに注目が集まっている。第94回アカデミー賞授賞式は、3月37日（現地時間）に開催される。どちらのカップルにも、夫婦でW受賞を期待したいところだ。

参考

・https://www.mirror.co.uk/3am/celebrity-news/javier-bardem-10-things-you-175505
・https://www.usmagazine.com/celebrity-news/pictures/penelope-cruz-javier-bardems-relationship-timeline/july-2013-11/
・https://deadline.com/2022/02/oscar-nominations-javier-bardem-interview-penelope-cruz-nicole-kidman-1234928716/