『相棒』反町隆史と水谷豊の7年間を振り返る “右京一強スタイル”を打破した冠城亘

 そんな2人が本気で対立しファンの間でも話題となったシーンが、season15の最終回。真相究明のためなら何でも利用する右京のスタンドプレーに対し「俺の想像の及ばない狙いがあってのこと」という前振りをしつつ、「根本にあるのは所詮自己満足でしょうが」と亘が咎め、それに対し「想像が及ばないのなら、黙っていろ!」と初めて相棒を怒鳴りつけた右京。今までの相棒たちならここで怯むだろうが、亘は「右京さん、あなた何様だ」とやり返す。格下やお客様扱いの人物なら右京はスルーしただろうが、心を開ける存在と認めてるからこそ言い返したくなったというのが伝わる描写だ。

 2人はここからさらに深い関係性を築いていくのだが、この喧嘩の原因は、美彌子(仲間由紀恵)が自作自演で、娘の父親がロシアの元スパイ・ヤロポロクであることをリークしたことに端を発する。その娘・マリア(土方エミリ)が、season20の最終回を前に、亘がパパ活疑惑をかけられる相手として再登場。第19話では、この一連の疑惑を「ほっといてくださいよ」と言う亘に対し、右京が「ほっとけませんよ! 相棒が不名誉なパパ活疑惑をかけられているのですから」と声を荒げて反論した。このシーンは、初めて亘に対し“相棒”と言葉にして認めた、実に感慨深い場面であった。

 最終回のメインは、片山雛子(木村佳乃)と議席を争っている鑓鞍兵衛(柄本明)に対し、8年前に殺害未遂で逮捕された京匡平(本宮泰風)が再び襲撃を狙い、特命係が騒動の収拾に動き出すという話。これにどう亘とマリア、そして彌子の関係が関わってくるのか。亘が法務相から警視庁に来た本当の理由がここに隠されているのなら、最後にふさわしい壮大な伏線回収となる。今シーズンは特命係の最大の敵といえる鶴田官房長官(相島一之)が本気で特命係を消そうしているが、ただでさえこれまでの因縁が複雑に絡みあった最終回だけに、亘にはどんな別れが用意されているのだろうか。

 『相棒』就任前は、渋い大人として落ち着きのある演技をしていた反町。だが、亘役では、1997年放送の『ビーチボーイズ』(フジテレビ系)や1998年放送の『GTO』(フジテレビ系)時代を彷彿させるような、軽快でコミュ力が高く、いざという時にはクールになる、みんなが好きだった反町隆史が復活したように感じる。もともと脚本家は亘を二枚目として書いていたそうだが、反町が三枚目が強いキャラに創造していき、シリアスからコミカルまで幅広くこなす、これまでの相棒にはない魅力的な存在に。さらに、水谷と公私ともに素敵な相棒となったことも、7年間愛された秘訣だったように思う。

■放送情報
『相棒 season20』
テレビ朝日系にて、毎週水曜21:00~21:54放送
出演:水谷豊、反町隆史、森口瑤子、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西惇、浅利陽介、田中隆三ほか
脚本:川﨑龍太
監督:権野元
音楽:池頼広
制作:テレビ朝日/東映
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