BTSライブビューイング、イベント興行の歴代記録を更新 北米で『ザ・バットマン』と対決

 2022年3月11日~13日の北米興行収入ランキングは、前週に続いて『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が制した。3日間の興行収入は6600万ドルで、公開後10日間の累計興収は2億3850万ドル。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に次いで、早くもコロナ禍で第2位のヒット作となった。

 本作は海外市場でも優れた成績を上げており、全世界興行収入4億6320万ドルを記録。まもなく5億ドルを突破することが見込まれる中、3月18日には巨大市場である中国でも劇場公開を迎える。

 DCコミックス屈指の人気ヒーロー、バットマンを『猿の惑星』シリーズのマット・リーヴス監督が新たに映画化した本作は、約3時間という長尺ながら高い評価を獲得。公開2週目の数字が前週比−50.7%という下落率もイベントムービーとしては珍しい推移だ。たとえば『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は公開2週目に前週比−58.7%、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)は前週比-56.4%、『ダークナイト』(2008年)も前週比-53%という推移だったのである。

 今後、3月25日には『ザ・ロストシティ』、4月1日には『モービウス』が北米公開を迎えるが、それまで『ザ・バットマン』にはライバル不在の状況が続く。すなわち、映画興行的には“無風”ともいうべき日々がもう少し続くことになるだろう。

 それでも週末の北米興行がいささか特殊だったのは、文字通りの“イベントムービー”が世界の映画館を席巻したからだ。3月12日、韓国の人気ボーイズグループ・BTSによる『PERMISSION TO DANCE ON STAGE - SEOUL』のライブビューイング上映が世界75市場・計3711館で開催され、一夜限りの上映で世界興収3260万ドルを記録。イベント上映としての歴代記録を更新した。

 韓国との時差を考慮し、北米などでは生中継ではなく録画上映が2度実施されたが、熱狂的なARMY(BTSファンの通称)が劇場に集まり、北米では803館で684万ドルを記録。イベント上映ゆえにチケット料金は35ドルと高額だったが、これはたった2回だけでの興収成績なのだから、そのすさまじい人気ぶりは明らかだろう。

 米Box Office Mojoは映画興行に絞ってデータを発表しているため、『PERMISSION TO DANCE ON STAGE - SEOUL:LIVE VIEWING』は週末ランキングに登場していないが、この成績は『ザ・バットマン』『アンチャーテッド』に続いて事実上の第3位。もっとも803館のうち55館では週末興収が『ザ・バットマン』を抜いてNo.1、残りの劇場でもNo.2だったというから、上映回数さえ多ければ事実上の第2位となっていたはずだ。劇場1館あたりの平均興収は約8500ドルで、『アンチャーテッド』の平均興収が約2483ドルなのだからその差は歴然である。

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