『となりのチカラ』松本潤「頑張ろうか、これから」の説得力 清水尋也の涙の名演も

 松本潤が主演を務める『となりのチカラ』(テレビ朝日系)第5話でフィーチャーされるのは、上条知樹(清水尋也)。10年前に世間を震撼させた凶悪少年犯罪事件の真犯人「少年A」と噂されている、寡黙で無表情の男性だ。

 上条は病気のせいで幼い頃に事件を起こし少年院に入っていたことは事実だが、人殺しをするような殺人鬼ではない。嘘の噂をネットにばら撒いたのはマンションの管理人である星譲(浅野和之)。亡くなった息子を殺した犯人だと決めつけ、彼の就職先にまでタレコミをしクビに追いやったり、馬乗りになって殴りつけていたことは決して許されることではない。だが、息子を失った悲しみは本人にしか分からない。マンションの住人一人ひとりを気遣っていた星をかつての“ヒーロー”としてマンションに再び迎え入れるべく、チカラ(松本潤)は彼に対しても優しく寄り添うのだった。

 そして、もう一人マンションを出て行こうとしていた上条。『となりのチカラ』は豪華な俳優陣と強烈なキャラクターが揃ったドラマであるが、その中でも最も演じるのが難しいのは上条ではないだろうか。彼は自分の感情を自覚したり、表現することがうまくできない病気を患っている。それは本当の病気に仕立て上げた母親の影響があった。笑うことも泣くことも怒ることもできなくなった上条は学生時代にいじめに遭い、やり返したことが発端に少年院に入ることになってしまった。

 彼の何を考えているか分からないミステリアスさは、感情を置き去りにしているところにある。ただ、感情を全て失っているわけではない。そんな絶妙な塩梅の役を清水尋也は演じているのだ。朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)で演じていた気象オタクの内田は清水尋也という名前と顔を広めた代表作であるが、現在上映中の映画『さがす』では本当に連続殺人犯鬼を演じており、不気味な役柄は彼の一つのイメージになりつつあるのかもしれない。

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