ウクライナ国境近くで起きた虐殺事件を描く 『親愛なる同志たちへ』本予告&場面写真公開
第93回アカデミー賞国際長編映画賞・ロシア代表に選定されたアンドレイ・コンチャロフスキー監督作『親愛なる同志たちへ』の本予告と場面写真が公開された。
本作は、『暴走機関車』(1985年)や『映写技師は見ていた』(1991年)、アンドレイ・タルコフスキー作品の共同脚本などで知られるコンチャロフスキー監督の最新作。スターリン後の社会に希望を見出し、その世界に疑いを持たなかった一人の女性が知る、残酷な事実を描き出す。
1962年6月1日、ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場でストライキが勃発した。「雪どけ」とも称されたフルシチョフが目指した豊かな共産主義統治にも陰りが見え始め、困窮にあえぐ労働者たちが物価の高騰や給与カットに抗議の意思を示したのだ。社会主義国家で大規模なストライキが起こったことに危機感を覚えた政権は、スト鎮静化と情報遮断のために最高幹部を現地に派遣、翌日には約5000人の市民への銃撃を開始した。熱心な共産党員で市政委員も務めるリューダは、18歳の愛娘スヴェッカの身を案じ、凄まじい群衆パニックが巻き起こった広場を駆けずり回る。三つ編みに青いリボンのスヴェッカはどこにいるのか。既に銃撃の犠牲者となって“処分”されてしまったのか。長らく忠誠を誓ってきた共産党への疑念に揺れるリューダが、必死の捜索の果てにたどり着いた真実とは。
公開された予告編と場面写真では、熱心な共産党員であった主人公リューダが国家による市民への無差別銃撃事件を目の当たりし、娘が行方不明になったことで祖国への忠誠心が揺らいでいく様子が捉えられている。
■公開情報
『親愛なる同志たちへ』
4月8日(金)全国公開
監督・脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー
出演:ユリア・ビソツカヤ、ウラジスラフ・コマロフ、アンドレイ・グセフ
配給:アルバトロス・フィルム
2020年/ロシア/ロシア語/121分/モノクロ/スタンダード/5.1ch
(c)Produced by Production Center of Andrei Konchalovsky and Andrei Konchalovsky Foundation for support of cinema, scenic and visual arts commissioned by VGTRK, 2020
公式サイト:shinai-doshi.com