『愛しい嘘』新たな犠牲者で再び怪しさ増す林遣都 松村沙友理&徳重聡の怪演も炸裂

 同窓会をきっかけに始まる同級生“連続不審死”事件に、はやくも2人目の犠牲者が出てしまった。

 優美(黒川智花)が夫・正(徳重聡)から首元を掴まれ、怯えている姿を目撃してしまった望緒(波瑠)。『愛しい嘘~優しい闇~』(テレビ朝日系)第3話では、中学時代の仲良しメンバーが優美をDVの被害から守るべく奔走するも、それが新たな悲劇を生んでしまう。

 望緒はすぐさま、優美のことを秀一(林遣都)に相談。状況から優美は正から日常的に暴力を受けているかもしれないと推測する秀一の言葉に、いてもたってもいられなくなった望緒は本人から事情を聞くことに。すると優美はDVを認めたものの、自らを“自業自得”と断罪する。ずっと自分の人生を誰かに決めてきてもらった結果だから仕方ない、と。優美がどこか常に自信なさげな理由はそこにあった。そんな彼女に望緒は「今からだって(自分で人生を)選べばいい」と訴えかけるが、突然正が現れ笑顔で威圧する。

 第2話から徳重聡の怪演ぶりが大きな話題となっているが、今回はさらにパワーアップ。まるでカエルのように優美の車の窓ガラスに張り付いたり、神経質そうに身の回りのものを煮沸し、優美を自宅から連れ出そうと望緒と稜(溝端淳平)が届けたワインの成分を調べたりと、その異常な行動に背筋が凍る。とにかく本作ではメインの6人を取り巻く登場人物のクセが強く、徳重と同じくらい強烈なインパクトを残しているのが、望緒の後輩・りえを演じる松村沙友理だ。

 乃木坂46を卒業して以降、『プロミス・シンデレラ』(TBS系)や『農家のミカタ』(テレビ東京系)に出演し、俳優業に邁進している松村。特に昨年11月に公開された映画『ずっと独身でいるつもり?』では若さを失うことに不安を抱えるパパ活女子のリアルな心情を表現し、観る人の共感を誘ったが、本作では徹底した悪役ぶりで新境地を開いている。周囲には無邪気な笑顔を振りまき、かたや見下している望緒に対しては何かと謝罪を求めるりえは「憎たらしい」の一言。ただ一方で、松村は演技に望緒に抱いているりえの劣等感を滲ませており、今回のりえが望緒に花瓶を投げつける場面にも鬼気迫るものがあった。

 それによって怪我を負った望緒は、暴力は身体の傷以上に心を傷つけ、誰かに助けてほしくても声すら挙げられないという秀一の言葉を実感。奈々江(新川優愛)を偲ぶ会と称して呼び出した優美をDV被害者用のシェルターで保護する計画を立てる。正がついてくることもあって、玲子(本仮屋ユイカ)の提案で優美が献杯の挨拶を終えた直後に裏口から外へ誘導する作戦に。様々なトラブルがありながらも、どうにか上手く事が運んでいるように思えた。そんな矢先、ある人物が毒入りのワインを飲んで死亡してしまう。

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