『カムカムエヴリバディ』離れたるいと錠一郎が心配 不穏すぎる“クリスマス”のフラグ

「クリスマスになれば、錠一郎に会える。るいは、そう信じて疑いませんでした」

 城田優の優しい声色とは打って変わって、不穏すぎるこのナレーションが、花嫁修行として肉じゃが作りに励むるいの背景で流れる。クリスマスといえば、先述の安子編で安子が稔(松村北斗)から言われた「メリークリスマス」を思い出し、ロバートとの距離が近づいた日だった。安子にとっては稔への想いを昇華する、一種の別れのタイミングであり、それと同時に得た新たな出会いでもある。しかし、その頃家に置いていかれ、一人何も知らずに母の帰りを待つるいにとっては、自分の知らないところで自分の大好きな人間と引き離される運命が始まる合図でもあり、別れの象徴でもある日なのだ。安子とロバートとるい、錠一郎と奈々とるい。まるでトレースされたかのように重なるその関係性に、再び悲劇が起こってしまう予感さえ感じる。

 そして、錠一郎はトランペットが吹けなくなってしまった。もともと自分の存在意義として始め、愛したトランペットやジャズを“仕事”として商業的に消費することに対し、心的な理由で不調をきたしたのではないだろうか。彼にとっての理解者である、るいとの距離も遠い。そして流れる悪い噂。“恋人たちのクリスマス”というわけにはいかなさそうだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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