座長・松本潤の気合が見える『となりのチカラ』 松嶋菜々子との10年ぶりの共演にも注目

 1月20日からテレビ朝日系で放送がスタートする松本潤主演ドラマ『となりのチカラ』。1月17日には試写会・制作発表記者会見が行われ、松本をはじめ、妻役の上戸彩、同じマンションの住人である松嶋菜々子、映美くらら、ソニン、清水尋也、風吹ジュン、長尾謙杜(なにわ男子)、マンションの管理人役の浅野和之、そして本作で脚本・演出を手掛ける遊川和彦が登壇(小澤征悦は体調不良のため欠席)。会見では笑いを交えたトークが飛び出し、和やかな現場の雰囲気が伝わってきた。第1話放送を前に、作品の見どころを探ってみたい。

 松本演じる主人公・中越チカラは、思いやりと人間愛に溢れるけれど、優柔不断でちょっとだけ中途半端なキャラクター。一方、上戸演じる妻・灯(あかり)はアパレルショップで店長を務めるなどチカラとは対照的にテキパキとした性格だ。数字で物を言う性格の12歳の娘・愛里(鎌田英怜奈)と手旗信号が得意な10歳の息子・高太郎(大平洋介)の4人家族。そんな中越家が都内のマンションに引っ越してきたところから物語が展開する。

 第1話では、中越家が暮らす403号室の隣人、木次学(小澤征悦)、妻・達代役(映美くらら)と娘・好美(古川凛)が暮らす402号室から悲鳴が聞こえてくる。灯からご近所のことに首をつっこまないようにと釘を刺されていたものの……気になって仕方ないチカラは挨拶がてら木次家を訪れるーー。

 新時代の“中腰ヒーロー”と銘打った中越チカラ。やや厚手のニットにシャツをしっかりと着こんだスタイルで、見るからにいい人なのだ。自称“小説家”だが普段は著名人のエッセイ本などを代筆するブックライター、いわゆるゴーストライターをしている。この仕事もチカラの性格に影響を与えている。

 松本は現在公開中の映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』で演じた、型破りな弁護士・深山大翔の印象が強いが、同じヒーロー的主人公でも本作ではがらりと印象を変えている。深山のつかみどころのない天才肌とは打って変わり、チカラは優柔不断でちょっと頼りない夫・パパ役がとにかく新鮮だ。

 松本の出演作品を辿ってみると、2001年には『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で2代目金田一一役、2002年には『ごくせん』(日本テレビ系)で演じた、頭脳明晰な不良高校生・沢田慎役、2005年には大ヒットドラマ『花より男子』(TBS系)で道明寺司役と、10代から20代前半にかけて実年齢とも近しい学園ドラマに多数出演。その後も探偵やシェフと職業ドラマをはじめ、ドラマ『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)、映画『ナラタージュ』での大人のラブストーリーと、年齢とともに出演作品の幅を広げてきた。今回は夫・パパという役どころが新鮮だが、コミカルなようでいて、するりと社会問題に触れられるのも特徴の一つ。松本の出演作品と年齢を重ねてきたファンにとっても、より身近で、新たな世界が広がるに違いない。

 前述の会見では、松本は妻・灯役の上戸彩について、「よくできた方ですね」と感心した様子。「上戸彩という人物がなぜこんなに好感度が高いのかというのが現場でものすごくわかりますね。ものすごいちゃんとしてるし、明るいし、笑顔が絶えない、本当に灯ちゃんという役にぴったりな、太陽のように人を照らす存在」と語ったように、灯の性格や発言にも注目したい。

 一方、上戸は同じ高校に通っていた松本の学生時代を「全学年をまとめてたリーダー」と振り返りながら、「座長としてスタッフみなさんも一つにまとめて、みんなをひっぱっていく感じが変わらない」と松本の現場での様子を明かした。また松本の“チカラ”について「すごいです!」と上戸。演者としてはもちろん、監督やカメラマン、演出など「スタッフのみなさんの気持ちを汲み取って自分がそこに立っている感じ。スタッフの方のお名前を全員覚えているところも本当に尊敬するところですし、本当に……パーフェクト!だなって思います」と現場での松本の活躍ぶりを語った。

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