『カムカム』上白石萌音、絶望を体現した圧倒的なワンシーン 深津絵里へ繋いだバトン

 上白石萌音は、何よりも笑顔が似合う女優だ。これまで朝ドラのヒロインに選ばれなかったことが不自然なほど、誰もが応援したくなる唯一無二の輝きを放ってきた。しかし、彼女の本領が発揮されたのは、皮肉にも安子がたくさんの愛に包まれた前半ではなく、希望を一つ、また一つと奪われていった後半のストーリーだ。これほど重い展開を視聴者に見せるには、相当の精神的体力が必要だったはず。上白石は真正面から受け止めたら壊れてしまいそうな安子の悲劇に耐え続け、次のヒロイン・るいを演じる深津絵里にしっかりとバトンを渡した。

<君と私は仲良くなれるかな この世界が終わるその前に>

 願わくば、この絶望の先にるいと再会した安子の懐かしい笑顔がありますように。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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