濱田岳、“憎めないキャラ”を演じたら右に出る者なし! 『カムカム』に帰還した算太

 まさか……金太(甲本雅裕)は例の賭けに“本当の意味でも”勝っていたなんて。出征する息子・算太(濱田岳)の見送りに意地を張って行かなかったことをずっと後悔していた金太は、おはぎを食い逃げした少年を叱責しながらも息子の面影を重ね、彼に“おはぎ売り”を託す。この時“少年が戻って来たら算太も戻ってくる”という想いも託し願掛けをしながら……。

 そんな金太の元に、彼は帰ってきたのだ。『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第19話ラストでは、金太が無事算太に出会えたのかと思いきや、それは遠退く金太の意識の中で再生されていた夢物語であり、実際には少年の声を聞くなり安心したかのように息を引き取ってしまっていたことがわかったあの衝撃から……なんと予告編によると第7週では算太が安子(上白石萌音)の前に姿を現すようだ。行方知らずだった算太は生きていたのだ……!

 算太役の濱田岳は本作が『わろてんか』(NHK総合)に続き朝ドラ出演2作目。『わろてんか』では、ヒロイン・てん(葵わかな)を妹のように可愛がりながらも恋心を抱いており、自分のことを全く顧みず彼女のために奔走する一本気な青年・風太役を熱演した。

 憎めない愛されキャラを演じることが多く、現在放送中の『じゃない方の彼女』(テレビ東京ほか)での主人公・雅也役では、その真骨頂が炸裂している。本作の算太とは異なり大学の准教授で真面目を絵に描いたような性格ながらも、算太同様なんとも情けなくも、人間臭い魅力が滲む役どころを好演中だ。雅也と算太ではだらしないポイントが異なるものの、それぞれにどうしようもない一面を抱えていながらも、周囲もなんだかんだ彼らを見放せない“愛嬌”や“可愛げ”、無防備な“放っておけなさ”があるのだ。

 濱田は“憎めないキャラクター”の最高峰とも言える大役もこなしている。『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』(テレビ東京ほか)にて、映画シリーズでは西田敏行が演じていたハマちゃんの新入社員時代を見事演じ切り、映画ファンからも絶賛されていた。これはさぞかし重責だったろうとお察しするが、流石である。

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